“東北復興のためにも道州制の導入を”宮城県の村井知事と橋下氏が意気投合
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 ABEMANewsBAR橋下』のゲストに出演した宮城県知事の村井嘉浩氏が「今日はせっかく橋下さんと出ているし、見ている方々にお伝えしたい」として、道州制について切り出した。

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村井:この国の統治機構を、思い切って道州制の形に変えるべきだと思う。東日本大震災の復興も結局は国が予算を持っているから全ての制度設計をして、例えば防潮堤でもここまでの高さだったら予算をつけてあげるけど、この高さ以上の防潮堤を作りたかったら自分の金でやりなさい、ということになってしまう。

これからは日本全体で人口が減ってくる。宮城県も今後25年間で22%人口が減る。230万人が毎年2万人ずつ減り、180万人になってしまう。秋田県は半分ぐらいになる。そうなれば税収が減ってくることも見込まれる。今後は例えば宮城がハブ空港を担う代わりに、大きな港は日本海側が山形、太平洋側が岩手で、というような役割分担をしていかないといけないし、各県の県立大学も統合したほうがいい。しかし残念ながら現状の47都道府県のままでは、知事としては県内にフルセットを作っていかないといけなくなってしまう。

そこでもう一度、この国の制度を変える。明治維新が中央集権の国づくりだったので、今度は逆に地方分権の国づくりをしていくべきだ。橋下さんは影響力のある人なので、ぜひ一緒やりたいなと思っている。そうすることが、結果的に被災地の地域の活性化にもつながる。

橋下氏:村井さんは現職の知事だから、演説が熱すぎる(笑)。僕も復興のためには青森だとか岩手だとか秋田だとか言わず、東北として一つになる道州制だと思っていた。言いにくいかもしれないが、東北の知事たちもそういう気持ちではないのか。国からの予算、権限を持って自分たちでやっていこうよという気概ではないのか。

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村井:残念ながら、橋下さんと一緒に作った道州制推進知事・指定都市市長連合のメンバーに東北の知事は私だけ。当然、辞めたり、新しい知事さんになったりしているが、人数は変わっていない。

橋下:こういう状況になっても都道府県単位でやっていこうという感じになっているのか…。10年前にやったが、増えていないのは悲しい。復興庁は国の機関だが、担当大臣や幹部はコロコロ代わる国会議員ではなくて、東北の知事が就くのがいいんじゃないかと思っていた。

村井:コロナ対策を見ても、最近は知事の発信力がかなり大きくなってきていて、政府が動いてくれるように変わってきていると思う。しかし実際に意思決定するのは政府。そこに近い立場に知事を置くということも重要だ。ただ今の制度ではできない。

橋下:もちろん、都道府県の地域性は残していいと思うし、今の市町村単位みたいな形も残すのかも分からないけど、大きな意思決定は国でやるんじゃなく、基本的には“東北州の州長”が全部決める。

村井:国は外交、防衛、皇室、通貨、法律など16くらいの限られた項目だけをやり、内政は全て州に任せる。あるいは基礎自治体、市町村に任せる。社会保障も州で変わってくる。そうすると道州ごとで競争することになるので、色んな知恵が出てくると思う。

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橋下:みんなが賛同してくれないのは、今の都道府県知事のポストがなくなるから。県議会議員も各都道府県に何十人単位でいるけど、これが9つぐらいの議会にギュッと集約されるから。だからこそ、その第一歩を大阪から、ということで大阪都構想を仕掛けたんだけど、やっぱり住民投票で否決になっちゃったし…

村井:期待していた。あれが一歩になると思っていたから。

橋下:力及ばすでした。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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