この記事の写真をみる(10枚)

 岡田准一主演の映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』は、アクションとコメディを融合させたパワフルな1作。南勝久のコミックを実写映画化した本作は、2019年に公開された前作『ザ・ファブル』の大ヒットを受けてシリーズ化、第2弾となった。

 どんな相手も6秒以内に仕留める“ファブル”(岡田)は、裏社会で伝説の殺し屋として恐れられていたが、ボスから「一年間、誰も殺すな。一般人として“普通”に生きろ」と命じられ、一般社会で佐藤アキラという偽名で暮らしている。平和な日々を満喫するアキラだったが、かつて弟を殺されたことでファブルへの復讐に燃えている宇津帆 (堤真一)の魔の手が忍び寄り、騒動へと勃発する。

 一般人として暮らすアキラが、バイト先として勤めるデザイン会社・オクトパスにて、アキラの面倒を恭しく見るのが、社長(佐藤二朗)と社員のミサキ(山本美月)。前作同様、ミサキを続投した山本に、ABEMA TIMESがインタビューを実施。『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』内で、唯一と言ってもいいほんわか&コメディパートを担った山本の奮闘とエピソードを、あますところなく語ってもらった。(※本インタビューは2020年12月に実施)

大好評の1作目からミサキも進化!?「少し幸せ感を足して、よく笑うように」

拡大する

――1作目『ザ・ファブル』に続き、ミサキ役で出演となりました。台本を読んで、どのように感じましたか?

 今作のミサキちゃんは、前作のような悲しいシーンがないので、私はただひたすら楽しんで撮影していました。本作では、オクトパスのシーンの出演のみで、ほかのシーンの様子がわからないんですけど、岡田さんが全てのアクションを考えていると聞きました。なので、完成作のアクションを観るのが、すごく楽しみです!「岡田さん、どんな動きをしているんだろう?」と、観客の皆さんと同じようにワクワクしています。予告編を見るだけでも、「わ~、大変だったんだろうな~」と思ったので、前作よりパワーアップしたんだろうなと、すごく期待しているんです。

――久々のチーム・オクトパスは、いかがでしたか?

 オクトパスチームは…相変わらずです。変わらず、癒やしな感じです(笑)。

――演じるにあたって、改めて準備したことはありましたか?

 何だろう?外見的なことになるんですけど、撮影の時期が、ちょうどコロナの自粛期間を挟んでいて、2か月空いたんです。もともと髪をすごく短く切っていたんですけど、ミサキちゃんは(原作では)もうちょっと長かったので、その2か月の間、よりミサキに近づけようと思って、ちょっと髪を伸ばしたりはしました。

――1作目を観返したりもしましたか?

 そうですね。前作では結構幸薄い感じがあったんですが、今回はもう少し幸せ感を足して、よく笑うように意識しました。あと、ミサキちゃんは関西弁をしゃべるんですね。方言を話すのが、前作よりちょっとだけ楽でした。耳が成長したのかもしれません。前作ですごく練習した成果なのか、今回のほうが、割とすんなり言葉が入ってきました。練習方法は…お風呂で関西弁で話す方の音声をずっと聞いたり、という感じです。

これまで演じた中で、山本が一番好き&自分に近かったキャラクターとは?

拡大する

――オクトパスの社長&ミサキコンビは、より進化していますか?

 私がというよりも、二朗さんは毎回アドリブを入れてこられるので、本当にすごいです(笑)。どこからどこまでがアドリブか、ちょっと覚えていないくらい。私は、ただ笑っているだけなので、お任せしています。私は笑っていても大丈夫なんですけど、岡田さんは我慢しないといけないんですね。本当に笑わずに我慢されていたので、「すごいなあ~」と思っていました。

――山本さんは面白い系と言いますか、ややファニーなキャラクターを演じることも最近多いですよね。実は、お得意だったりしますか?

 福田(雄一)さんの作品とか、ですかね(笑)?あまり意識していなくて、全ての役に同じように向き合っているんです。フラットにやっています。

――同じようにということだと、演じる上で、どの作品でも心がけていることはあります?

 演じる役が、たとえ悪い子だったとしても、私は好きになりたいなとは思っています。生きていて、自分のことを全部嫌いな人って、いないじゃないですか。何かしら、良いところはあると思うので、どうにか好きになってあげたいという気持ちで臨んでいるんです。肯定したい、というか…。その人が良かれと思って行動していることだから、私が「違うな」と思っても、ちゃんと肯定できるようになれたらな、と演じているときは思います。…終わったら「ええ~」と思うことはあるけど(笑)。

拡大する

――今までの中で一番「好きだな」と思った役は何でしょうか?

 え~、何だろう!?結構個性がはっきりしたキャラクターが好きかもしれないです。よく福田組で演じている、ポワポワ&意味のわからない感じのキャラクターは、実は結構好きなんです(笑)。

――逆に、ご自身と離れているから?

 離れているからかもしれないですね!意味がわからないから、「かわいいな」と思います。演じるときは…演出に応えられるようにいつも頑張っています(苦笑)。

――自分に近かった役はありますか?

 ないと思います。自分と同じ人はいないですもんね。「好きだな」みたいな子はいても、「自分と同じだな」みたいな人は、いないかもしれません。

『ザ・ファブル』もしパート3へ続くなら「ミサキの双子役とかで殺し屋に(笑)」

拡大する

――ミサキとご自身を比べて、「ここは共感できるな」、「ここは違うな」と思うところはありましたか?

 先に違う点から挙げると、無理して自分らしくない方法でお金を稼ぐというのは、、私には理解し難かったです。ただ、ミサキちゃんはちょっと天然なんですよね。抜けているんだな、と感じますし、「あんなに心がキレイになったら、素敵だな」とは思います。

――山本さんも心がキレイそうですが。

 私は、ひ……人です、人間です(笑)。

――(笑)。似ているところはありますか?

 最近は絵のお仕事もさせていただいているので、ペンタブレットとかを持ち慣れているのは、一緒かも(笑)。(※山本の趣味はイラスト描き)

拡大する

――本シリーズにおいて、「誰も殺さない」というルールをファブルは守って生活しています。山本さん自身も、生活や仕事をする上で決めているルールはありますか?

 嘘は、つかないようにしています。自分自身でいるときは、なるべく嘘をつかないように、って。なぜなら…嘘をつくと、嘘をついたこと自体を忘れてしまうんです(笑)。つじつまが合わなくなってしまうので、なるべく嘘をつかないようにしています。リアクションに関しても、なるべく正直にしていますね。

――最後に、もしパート3と続くなら、アクションパートにも参加したいですか?希望があれば、お伺いしたいです!

 ミサキのアクションは…たぶん…ないですよね(笑)。もしもアクションパートに入れるなら、殺し屋のほうに入りたいです!私も銃とかを構えてみたい!!ミサキとしてアクションに関わるよりも、また全然違うキャラクターで殺し屋のほうに入りたいです、ミサキの双子とかで(笑)。

拡大する
拡大する

『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』

拡大する

【STORY】

最強の殺し屋が挑む究極ミッション!誰も殺さず、最狂の偽善者から、訳ありの少女を救出せよ。どんな相手も6秒以内に仕留める――伝説の殺し屋“ファブル”(岡田准一)。ある日、ボス(佐藤浩市)から「一年間、誰も殺すな。一般人として“普通”に生きろ」と命じられ、佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコ(木村文乃)と共に一般人のフリをして暮らし始める。猫舌で変わり者のアキラは、今日もバイト先の社長(佐藤二朗)と同僚のミサキ(山本美月)と関わりながら<プロの普通>を極めるため奮闘中。一方この街では、表向きは子供を守るNPO代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆(堤真一)が暗躍。凄腕の殺し屋・鈴木(安藤政信)と共に、かつて弟を殺した因縁の敵・ファブルへの復讐に燃えていた。同じ頃アキラは、4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコ(平手友梨奈)と偶然再会し、これが後に大騒動へと発展する――!

©2021「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」製作委員会

『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』6月18日(金)全国公開

拡大する

取材・文:赤山恭子

撮影:Mayuko Yamaguchi

山本美月主演『パーフェクトワールド』
山本美月主演『パーフェクトワールド』
『女子ーズ』(映画)
『女子ーズ』(映画)
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(10枚)