静岡県河津町にある爬虫類動物園「iZoo」は先月末、猛毒を持つ「メキシコドクトカゲ」の繁殖に国内で初めて成功した。
噛まれた人の死亡例もある危険なトカゲをなぜ繁殖させるのか。『ABEMA Morning』は園長に話を聞いた。
先月末、iZooでメキシコドクトカゲの7個の卵から相次いで5匹がかえった。卵が産まれた去年8月から200日に及ぶ厳重な温度管理などで、国内で初めて人工ふ化に成功した瞬間だった。
「(2012年に)オープンしてからメキシコドクトカゲの繁殖を目標にしていたので、本当にうれしいですよね。8年間ずっと飼育し続けて、ようやく繁殖に成功したと。環境づくりが一番苦労した点なんです」(iZoo・白輪剛史園長、以下同)
白輪園長によると、地球上にいる4500種類以上のトカゲの中で、猛毒をもつトカゲは2種類しか見つかっていない。そのうちのひとつ、メキシコドクトカゲはあごの力も強く、海外では噛まれた人が死亡した例もあるということだ。
どうして、そんな危険なトカゲを飼って繁殖までするのか。
「ドクトカゲというだけでかなり乱獲されたり殺されたりして、海外では生息数が減っていて絶滅危惧種に瀕している。それを孵化させて繁殖して個体数を維持するというのは、爬虫類をやっている中では重要なミッション。毒を持っているからって増やさなければいいとか、なんで飼うんだというわけにはいかないんですね。iZooではどんな種類でも繁殖をめざして飼育しているので、ほぼすべての爬虫類に関して繁殖技術の確立を目指しています」
メキシコドクトカゲの赤ちゃんは今月19日から公開されている。体長は生まれた時とあまり変わらない20センチほど。最近ようやく、ネズミやウズラの卵などの餌を食べ始めるようになったということだ。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)