「ダボス会議」でも知られる「世界経済フォーラム」が昨日、社会における男女間格差を示す「ジェンダーギャップ指数」の最新ランキングを公表した。日本は世界156カ国中120位で、前回から1ランクアップしたものの、G7の中では最下位。「政治参画」では国会議員、閣僚に女性が少ないことが影響し147位、「経済分野」でも、女性管理職の少なさから117位と、世界最低水準だ。
この結果を受け、自民党の下村博文政調会長は「率直に言って恥ずかしい数字だ。女性候補者を3割にする“クオータ制”を導入すべきだと考えている」とコメント。東京都の小池百合子知事は「経済成長などが滞っているのも、そこに大きなポイントがあると思う。他の国は本気でやろうとしている」と指摘した。
『ABEMA Prime』に出演したパックンは「ダボス会議という名前からも分かる通りスイスに本部を置いているし、どうしても西洋的な価値観で測っている面もあるランキングだ。だから日本には日本の文化、いき方があるんだし、押し付けるな、という反発があるのも分かる。しかしジェンダーロールがこれだけ凝り固まった社会にストレスを感じているのは女性だけではないはずだ。俺だって家事したい、子育てしたい、家を守る側に回りたい、と思っている男性だっているはずだ。そのためのツールとして、このランキングを使って欲しい」とした上で、次のように提言した。
「政治や経済の分野で他国に遅れをとっていると報じられているが、教育の分野も忘れてはいけないと思う。特に注目していただきたいのが東大の学生の男女比だ。国会議員や上場企業の社長など、各分野でものすごい影響力を持つ人たちを育てるこの教育機関に、女性の学生が2割しかいない。東大は2020年までに(女性の学生の割合を)3割にするという目標を掲げていたが、まだ2割に留まっている。だから政治や経済の分野で女性が少ないわけだ。決して女性が劣っているということはないし、入試で高校時代の成績も50%のウエイトにすれば、すぐに40%くらいにはなるはず。まずここから直していくのが良いのではないか」。
ドワンゴ社長の夏野剛・慶應義塾大学特別招聘教授も「ほとんどの先進国ではテストの点数だけで入学を決めるなんていうことはやっていない。面接をしたり、エッセイを書かせたりするのが普通だ。あるいはパックンが卒業したハーバードも含めて、アメリカの名門大学は外国人留学生の比率や男女比率など、学生のダイバーシティを確保することに気を配っている。日本では男性の合格者を多くしていたという医学部入試の問題もあったが、点数だけで決めて、しかも男女比を見て男性の方に下駄を履かせるなんていうのは、本当に20世紀前半の議論だ。一発の試験だけでなく、高校時代の成績も含め、総合的に評価していくのが当たり前だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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