「“先が無い”仕事としてアイドルを選ぶのは悲しい」AKB48柏木由紀、“三十路アイドル”の決意 後輩が明かしたそれぞれのアイドル観

■ゆきりんさんは、年齢を感じさせないところがすごい

─ 柏木さんは一昨年「30歳までAKB48を辞めない」宣言をされて、今年7月にはその言葉がいよいよ現実のものとなります。まず、どんな思いがあっての宣言だったのかを改めて教えてください。

柏木由紀:その当時は、絶対に30歳までいると決めていたわけでもなかったんですよ。ただ、卒業するつもりもまったくなかったし、なんとなく話の流れで「何かそういうことを言ったら面白いんじゃないか」となったのが始まりで。とはいえ、言ったら絶対めちゃくちゃ批判されるだろうなと思いましたけど(笑)。アイドルに若さとかフレッシュさが必要なことは自分でもわかるぶん、どうなのかなと。

─ それでも宣言に踏み切ったのは?

柏木:当時私は28歳で、普通ならそろそろアイドルを卒業している年齢じゃないですか。ファンの方からも「これが最後の握手になるかもしれない」「アイドルとして最後の姿かもしれない」のような声が聞こえ始めていた時期だったんです。だからはっきりと「まだ辞めないよ」と宣言することで、安心して応援してもらいたいという気持ちが一番大きかったと思います。

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─ それを受けて、メンバーの皆さんはどう感じました?

小栗有以:ゆきりん(柏木)さんが30歳になってもいてくださるということが単純にすごくうれしいです。ゆきりんさんは、年齢を感じさせないところがすごいなと思ってるんですよ。パフォーマンスもそうだし、フレッシュなリアクションも(笑)。10代の私でも「もっと元気にがんばらないと」って思わされるし、アイドルとしてのお手本というか。まだまだ近くで勉強させてもらいたいです。

向井地美音:AKB48は “夢への通過点”みたいなところがあって、アイドルをやった先に女優とかモデルとか別の目指すメンバーが多いと思うんです。私はAKB48になること自体が目標で入ったんですけど、「この先、何か別の夢を持たなきゃいけないのかな?」みたいに思うこともあって。そこにゆきりんさんが「“一生アイドルでいたい”が目標でもいいんだ」という新しい道を示してくださったので、とても勇気をもらいました。

横山由依:ゆきりんらしい判断だし、ゆきりんらしい宣言だなって。私個人としては年齢を気にしたことはなかったんですけど、何事にせよ誰かが決めたルールに縛られるのはつらいことじゃないですか。そういう、目に見えない縛りのひとつを払拭するきっかけを作ってくれたと感じています。これからアイドルになる子とか、今の若いメンバーにとっても希望になるんじゃないかな。

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■アイドルを“先がない仕事”にしたくない

─ 柏木さんの宣言は、いま横山さんがおっしゃったような「なんとなくアイドルってこういうものだよね」という謎のルールに対する「本当にそうか?」という問題提起でもあったわけですよね。

柏木:そうですね。私が48グループ最年長になったときにもいろいろな意見を耳にしたり目にしたりしましたが、だんだん「それで何かに迷惑をかけているかな?」っていう気持ちになってきて(笑)。純粋に応援してくれる方が目の前にいて、私はその人たちに「楽しい」と思ってもらえることをしたいだけなんですよ。「その気持ちを持つことに、悪いことがあるのだろうか?」ってやっと思えてきたというか。だから応援してくれる人がいる限りは続けたいし、この年齢だからといって「なんとなくそういう決まりみたいだから辞めます」というのは、応援してくださる方に失礼だなと思って。

─ 実際、「なんで30歳でアイドルをやっちゃいけないのか」という問いに明確な答えを出せる人ってあまりいないんじゃないかと思うんですよ。

向井地:確かに。たぶん、ファンの方 はずっと「いくつになってもいてほしい」と思ってくださると思うんです。ただアイドル側の問題として、アイドルのままではできない生活みたいなものもあると思うんです。そっちを選んで卒業していくメンバーももちろんいるし、それは全然悪いことではないと思う。それでも、その選択肢を捨ててまでAKB48に残ってアイドルをするというゆきりんさんの決断はすごいなと。

柏木:結局、今までのメンバーはみんな20代の間にAKB48を卒業しているので、それがある種の先入観になっている可能性はありますね。

向井地:うんうん。

─ そこで柏木さんが前例を作ることで、あとに続く人たちも続きやすくなりますよね。

柏木:なったらいいなあとは思いますけど。“先がない仕事”としてアイドルを選ぶって、めちゃくちゃ悲しいことじゃないですか。「アイドルは一生続けられるお仕事だ」というふうになったらいいなと思いますね。

横山:もちろん30歳になっても続けるゆきりんはめちゃくちゃすごいと思うけど、だからといって、みんながそこまでやらなければいけないという話でもないんですよね。これまで通り若いうちに数年だけ活動して次のステップへいくがいてもいいし、全部正解だと思うんですけど、その選択肢を増やしてくれるのが今回のゆきりんの宣言なんだと思います。

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■最近のAKB48は守りに入っている

─ 今後のAKB48やアイドルシーンに対しては、どんな思いがありますか?

柏木:今って、「アイドルは大人の言うことに従うだけ」みたいな時代ではなくなってますよね。決められたイメージを演じるんじゃなくて、それぞれが本来持っている「私はこういう人です」「これが好きなんです」というものを自分から発信することが求められている。

小栗:そうですね。私も入ったばかりの頃は「アイドルは絶対に黒髪で、清純でなければいけない」みたいなイメージがあったんですけど、よく見てみたら個性の強い人が周りにたくさんいて……それこそ神7(AKB48選抜総選挙の上位7名を指す呼称)の皆さんとか。そういう、自分を持っている人のほうがファンの方に喜ばれているなっていうのを感じました。だから、あまりイメージとかにとらわれすぎないほうがいいのかなって。

柏木:そんなふうに自己発信力を持ったアイドルが、より活躍していける世の中になったらいいなと思ってます。私はまだまだアイドル界を盛り上げていきたいんですよ。だから今以上にいろんなアイドルに出てきてほしいし、その中でAKB48とほかのグループがそれぞれに特徴を出しながら、お互いに引き立てあうみたいな感じが理想です。

向井地:私は、「最近のAKB48は守りに入っているな」と感じることがあるんです。アイドル界で、「その座を守らなきゃ」みたいな。でも、今はもっと攻めていきたい気持ちがありますね。

─ それこそ柏木さんが30歳になっても前線に立ち続けるというのは、“攻め”の手札のひとつになり得ますよね。

向井地:そうですね、話題に事欠かないのもAKB48らしさだと思いますし。ファンの方からも「最近はちょっと落ち着いてるよね」みたいに言われることがあるので、「こちらから嵐を巻き起こすぞ!」くらいの勢いでやっていきたい。新しいこと、まだ誰もやっていないことは、AKB48が最初にやりたいなと思います。

─ とはいえ、AKB48は王道を求められるグループでもありますよね。そこは相反するところなのかなとも思いますが。

向井地:確かにそうですね……。でも、王道とは言いつつ、AKB48はけっこう邪道なこともしてきてると思います(笑)。たぶん何をやってもAKB48はAKB48だと思うので、失敗を恐れずに。「これを失敗したらAKB48がダメになるかも」みたいなのはナシで、ガンガン攻めていきたいですね。

横山:今はすごい勢いで時代が変わっていっている中をみんな生きていますけど、どの時代にも対応してきたと思います。歴史があるぶん、いろんな経験がある。この先時代がどう変わっていってもその変化に負けず、AKB48として形を変えながらも存在していくということが大事かなと思います。

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■寝ても覚めてもゆきりんワールド

─ では最後に、皆さんそれぞれ「うちの柏木、こんなにすごいんだぜ」という自慢話を聞かせてください。

柏木:なんかすみません(笑)。ありますか……?

小栗:AKB48に入る前からテレビとかで観ていたゆきりんさんもすごいなと思ってたんですけど、一緒にお仕事をさせてもらうようになって、どんどんすごさが沁みてきているというか。毎日学ぶことがあるんです。

─ やる側に回ったからこそ見えるすごさがあると。

小栗:そうですね。14年間の努力の積み重ねがあってこそ、今のプロのゆきりんさんができてるんだなって。表ではそんなに努力家みたいに言われてるわけじゃないけど、努力家なんだろうなっていうのをすごく感じていて。それで、なんていうか……えーと、努力家です。

一同:あははは(笑)。

柏木:ありがとうございます(笑)。

向井地:私は、やっぱりアイドルとしての原点であるパフォーマンスを一番大切にしているところがすごいなって思います。昔、ゆきりんさんから「何万人もお客さんがいるステージに立てたとしても、その中で誰も自分を見てくれていなかったら、それは誰もいないステージで踊ってるのと一緒だよ」って言われたことがあるんですよ。それがすごく印象的で、今も胸に刻んでいます。そういう原点の部分を大事にしているからこそ、みんなに愛され続けるんだろうなって。

横山:私が思う柏木由紀の一番すごいところは、裏でも“ゆきりん”なところ。

向井地:確かに!

横山:普段からこれなんですよ。

柏木:「これ」って(笑)。

横山:最初は「無理してるのかな?」とも思ったんですけど、どうやらそうではないみたいで。私といるときもこれだし、バラエティ番組でもステージでも、全部これなんです。文字通り「寝ても覚めてもゆきりんワールド」なんですよ。

柏木:あははは(笑)。

横山:たぶん昔は無理してた時期もあったと思うんですけど、今は心から楽しくやれてるんだろうなっていうのがわかるから、よかったなって思います。ちょっと上から目線ですけど(笑)、これからも“楽しい”を優先してほしいし、そうしていくんだろうなと。

─ そんな皆さんの言葉を受けて、柏木さんいかがですか?

柏木:いやあ、こんなことを直接言われる機会もなかなかないので、ありがたいです。私がそれぞれに伝えたいと思っているようなことがみんなの口から出てきたのが何よりうれしい。しかもそれを何倍にもして発揮してくれる人たちだし、こういうメンバーがいるからAKB48に残りたいと思えるんですよね。アイドルって、グループを辞めてもやろうと思えばできるじゃないですか。けど、今はこのメンバーたちと一緒に活動することがすごく楽しいので、私はAKB48にいるんだろうなって思いました。

(取材・文:ナカニシキュウ)

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