3日のABEMA『NewsBAR橋下』に三重県知事の鈴木英敬氏が出演。共に首長として地方からの政治改革を志向してきた橋下氏と議論した。
鈴木知事は兵庫県出身で、灘中・灘高から東京大学を経て現在の経済産業省に入省。36歳の若さで県知事に初当選し、現在で3期目。イタリアのレンツィ首相と同い年、カナダのトルドー首相とも同世代であることから、G7の際に海外メディアから「海外では首長から首相や大統領になるのは当たり前のことだが、日本は国会議員で下積みをしていないとなれない。それはなんでだと思う?」と尋ねられたという。
橋下氏は「イタリアは別に政治家じゃなくても首相になれるし、アメリカも議員の仲間を集めなくても、有権者から票をもらえば大統領になれる。日本でも、例えば細川護煕さんが政治の激しい動きの中で熊本県知事から首相になったということがあったが、基本的には議院内閣制の中では国会議員の仲間を作るという特殊能力がなければいけない。
ステレオタイプな言い方だけど、二階さんとか麻生さんとか、ああいう雰囲気がないとね。つまり、はっきり言えば、国民受けしない、有権者には嫌われるんだけど、国会議員からはメチャクチャ支持されるタイプだ。逆に首長というのは、有権者に票をもらえばいい。だから僕みたいなタイプは首長にはなれても、絶対に議員からは好かれないから絶対に無理。その点、吉村(洋文・大阪府知事)さんなんかは、反対者もうまく巻き込んでいく能力がある。やっぱり地方の首長経験者が国の政治を率いることが、これからは絶対に必要なことだと思う。価値観は全く違うけれど、中国の政治には力強さがある。なぜなら、首長を経験者が上がっていく仕組みになっていくから」とコメント。
さらに「野党の国会議員を経験していたからといって、いきなり大臣というのも難しいと思う。だからこそ、首長たちが国政でも活躍すべきじゃないかと思うし、首長だけのグループ、政治団体を作って国政に乗り込んでいけないものかと思っていた。でも、目の前には議会があるし、自民党とケンカをするのは大変。加えて、首長というのは“俺が俺が”の大群だからまとまらない(笑)。それでも鈴木さんや吉村さん、あるいは熊谷(俊人)さんとか北海道知事の鈴木(直道)さんなど、若手の改革派たちが“特殊能力”を使いながら束になり、健全な二大政党制を作るための自民党との対立軸になる」と期待感を示した。
すると鈴木氏も「おっしゃる通りだ。やはり地方をマネジメントした経験がもっと評価されるようになったほうがいいと思う。全員が賛成する政策というのは絶対にないが、首長というのは、そういう中で決断し、説明しなければならない。例えば知事会でお世話になっている兄貴分の、平井さん(伸治、鳥取県知事)。面白いし実力がある。熊谷君(俊人、次期千葉県県知事)、鈴木康友(浜松市長)さんもそうだ。それから、これからエースになっていくなと思うのが、新進気鋭の五十嵐(立青・つくば市長)さん。IT系にムッチャ強くて非常に面白い。ご紹介しますよ」と応じていた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)