誰にでも苦手な食べ物の1つや2つあるのではないだろうか。あまつさえ「見たくない」という思いも…。
テレビ朝日の住田紗里アナウンサーが「好きな方はごめんなさい…」と拒否反応を示してしまうのは、「カキ」。「口に入れた時の食感と臭み」と「グロテスクな見た目」が苦手なのだという。
そこで『ABEMA Morning』では、数多食通たちの舌を唸らせてきた現役のトップシェフとともに、苦手な食材を美味しくいただくための“アイデアレシピ”を提案する。
今回腕を振るうのは、東京・港区の六本木ヒルズにお店を構えるイタリアン、「La Brianza」オーナーシェフの奥野義幸さん。リピーター率9割という数字がその人気を物語る実力店だ。ミシュランガイドでも8年連続「ビブグルマン」に選出されている。
カキは“海のミルク”と呼ばれる、海中の栄養素を凝縮したバランス栄養食材。ビタミンB12、鉄分、亜鉛などで免疫力アップに効果的で、奥野さんは「ぜひ女性に取ってほしい栄養素が多くある」「『美味しい』ということに気づければこんな幸せなことはない」と話す。
では、カキの“食感・臭みと見た目”を克服できるアイデアレシピとはどのようなものなのか。奥野さんが用意した食材は、生カキと生青のり、レモン、グラニュー糖、塩、生イースト(ドライイースト(パウダー)でも代用可能)、小麦粉。これらを使って「カキフライ」を作るという。
殻付きのカキをむく際は、カキの心臓に刺さるのを避けるため下から刃を入れる。端の黒い部分は火が入ると硬くなるので、食感を均一にするためにカット。また砂利が残ることも多いため、取り除くことで臭いの原因も解消できるという。
次に用意するのは衣。ボウルに水を入れたら、イーストとグラニュー糖を追加。グラニュー糖はイーストの栄養源になり、発酵をより早く促す効果がある。それを泡立て器で混ぜたら、生青のりを入れる。パン粉とソースのフライだと磯っぽさが口に残ってしまうが、同じ海のものである生青のりを入れることで味に一体感を持たせられるという。そこにふるいにかけた小麦粉を入れて混ぜる。この衣はイースト入りのため発酵を促す必要があり、混ぜ終わったら冷蔵庫などで約2時間休ませるのがベスト。
イースト入りの衣を休ませたら、カキを揚げていく。カキの上にレモンの皮をすりおろしてまぶしたら、小麦粉でコーティングし、イースト入りの衣の上へ。ここではカキを包むように衣をまとわせる。油で揚げる温度の目安は、少し低温の170度。ゆっくり揚げることで全てがフワフワに仕上がるそうだ。
そうして10分ほどで「ナポリ風カキフライ」が完成。実際に食べてみた住田アナは「まずレモンの香りがフワッと広がって、その後に青のりの香りがするんですけど、カキが全然目立たないです!私が苦手なグニュっていう食感もなくてモチモチなんですよ。こんな食べ方があったんだ!」と驚く。
奥野さんは「これが食べられれば少々のカキはいけるはず」と太鼓判を押すとともに、住田アナがカキを克服できたことに「ホッとしました」と胸を撫で下ろしていた。
■ミラノ風カキフライ(調理時間:約10分)
【材料】
<カキ>
・生カキ…2個
・レモンピール…少々
<衣>
・水…約250cc
・生イースト(ドライでも可)…7.5g
・グラニュー糖…3g
・生青のり…50g
・小麦粉(一度ふるう)…240g
<揚げる>
・小麦粉…適量
・サラダ油…適量
<仕上げ>
・塩…少々
・レモンピール少々
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)