“今の時代、金八先生ではもうダメだ” 橋下氏と藤原和博氏が教員の働き方に苦言
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 17日のABEMANewsBAR橋下』に出演した教育改革実践家の藤原和博氏と橋下徹氏が、ネット上で波紋を広げた文部科学省の「#教師のバトン」キャンペーンや教員の働き方の問題について議論した。

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 藤原氏は「学校って、余計なことをいっぱいやってるので、もっと絞るべきだと思う。文部科学省も教育委員会も、“これをやってください、これをもっとやってください”ということは言うが“これは止めましょうということは言わない”。さらに教育基本法の中には“全人格教育”的な幻想があって、ベテランの先生なんかには“自分は人間を教育しているんだ”という感覚がある。でも保護者の本音は“全人格教育?あなたごときにやってほしくない”というところだろう。これからはチームを組んで役割分担する、とっかかりにはスマホを使う、外の資源も使うということでやっていかなければならない。出席だって、位置情報でいい」。

 橋下氏は「うちの妹夫妻も教員なんだけど、ものすごく魂が熱い。自分がこの子どもの人生を導いてあげなきゃいけない、全部を自分がやるっていう考え方だ。でも今の時代、どこの組織だって分業でやらなきゃいけない。例えばクラブ活動は学校がやることじゃない。やんちゃな子どもが何かやったときの対応も、担任が全部やる必要はなくて、チームでやればいい。全て抱え込むのは辛いし、生徒にとってもマイナスになるということを分かってもらいたい。

 例えば手書きもそうだ。魂がこもるからと、通知表もずっと手書きでやっていたから、間違えると書き直しだし、データも蓄積されない。実際、僕が知事の時、一部の先生からは、“なんでパソコンだめなんですか”“上が動かないんです”という声が寄せられた。そこで大号令をかけて、50、60億円をかけて導入した。そのことで教員1人あたり、年間100時間以上創出することができた。“魂の教育”というのは分かるが、精神論がドツボにハマっていってる」と話した。

“今の時代、金八先生ではもうダメだ” 橋下氏と藤原和博氏が教員の働き方に苦言
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 番組MCを務めるお笑い芸人のサバンナ・高橋茂雄が「僕は“金八先生”世代なんですよ。ああいう先生が大好きで、ずっと見てきたから、“そんな血の通ってない…”となってしまうと思う」と話すと、橋下氏は「金八先生、僕も好きなんだけどね、現実は変わっていかないといけない。実際、金八先生を崇拝している教員も多いけど、かえって教員のためにも、生徒のためにもならないから。その意味では藤原さんが教育改革の実践面で先鞭をつけてくれたし、精神論についても、若い先生たちは変わってきた部分はある」と答えた。

 藤原氏も「実は金八先生の中で、“藤原先生がここまで改革して削ぎ落としてますよ…”って言うセリフがある。金八先生も、おそらく改革の必要は感じているということだ。そして金八先生っぽい人が多いのは、50代以上。そういう人達は、あと10年もすればいなくなる。一方で、30~40代の教員はものすごく数が少ないので、採用が増えている。いずれ半分以上は若い先生になっちゃうんで、そこは金八流の指導ではなく、スマホという武器を持たせて、ネットの向こうにいる、神様みたいな授業をオンラインで行う先生も動員しながらやっていった方がいいと思う」と話していた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)。

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