今のご時世、何かが集まっているところを見ると、こう反応せざるを得ないのかもしれない。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Aリーグの第3試合、チーム三浦とチーム稲葉の対戦が4月24日に放送されたが、この第7局(久保利明九段-本田奎五段)で、後手の本田五段の駒台に大量の駒が並ぶシーンが映し出された。これに視聴者たちは即座にコメント欄へ「めっちゃ密!」「駒が落ちそう」「駒台が渋滞してる」といった書き込みをしまくった。
将棋界も、猛威を振るう新型コロナウイルスにはかなりの影響を受けている。昨年春、初めて緊急事態宣言が出た際には4、5月の公式戦が中止・延期に。また現在でも、関係者たちは日々マスク着用で、対局者も盤面に集中したい中でも、極力マスクをつけて戦っている。一部の対局では、対局者の間にアクリルボードを設置するものがあるほどだ。
久保九段と本田五段の対局は、序中盤を本田五段がリード。終盤に久保九段が逆襲という意地のぶつかり合いといった内容になったが、熱い戦いを示すようにどんどんと混み合っていったのが、本田五段の駒台だ。気がつけば飛車1枚、金と銀が各2枚、歩においてはなんと全18枚中、半分以上の10枚と、実に15枚もの駒が並んだ。
今にも駒台からこぼれ落ちそう、さらにはこれ以上ない「密」な様子は、ソーシャルディスタンスを意識しながら日々を暮らしている将棋ファンにとって、どうしても目につきやすいところだった模様。「駒台がやばい」「駒台が密」「渋滞してる」など、ここぞとばかりに思いを吐き出していた。
なお、終局時にはさらに持ち駒は増え、その数は17枚に及んでいた(角、金、銀×2、桂馬×2、歩×11)。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)