朝鮮時代の王子が突然、現代に姿を現す『屋根部屋のプリンス』、王妃に仕える官吏が現代の俳優と恋をする『イニョン王妃の男』など、過去と現代をつないだラブコメディが得意な韓国ドラマ。ABEMA独占で日韓同時放送される『君がくれた恋の詩~カシリイッコ~』では、共に音楽を愛し、深い縁で結ばれた男女の過去と現在が描かれていく。
▶映像:『君がくれた恋の詩~カシリイッコ~』(第1話無料配信中)
パーティーでの演奏やスーパーでのアルバイトを掛け持ちしながら両親の残した借金の返済に追われているミン・ユジョン(パク・ジョンヨン)。歌手としてデビューするという夢を捨てずに努力してきた彼女は、友人ドヨン(ジアン)から持ちかけられた高額の報酬に釣られて、ある場所で伝統楽器の伽耶琴(カヤグム)を演奏することになる。目的がわからないまま約束の場所で演奏を始めたユジョンは、伝統服に身を包んだ謎の男パク・ヨン(チャニ)が目の前に現れたことに驚き、気を失ってしまう。
タイトルとなっている「カシリイッコ」という言葉は、「行ってしまうのですか」を意味する古語。ドラマの中では古くから伝わる歌のタイトルとしても紹介されている。主人公のユジョンとヨンは、朝鮮時代の初期である15世紀始めにも、没落した両班の娘と才能にあふれた楽師として出会っており、600年ぶりの珍しい皆既月食の日に再会したということが徐々に明らかになる。そして、そんな二人の恋が、ライバルたちの思惑とも絡み合いながら軽快なテンポで展開していく。ミュージシャンを主人公としているため、朝鮮時代から続く伝統音楽(国楽)や現代的な音楽などもたっぷり楽しめる。
朝鮮時代からやってきたヨンを演じるのは、16年にボーイズグループSF9のメンバーとしてデビューする以前から子役として活躍してきたチャニ。名作ドラマ『シグナル』にも、イ・ジェフン演じる主人公の兄役で出演していた。さらに大ヒットした『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』でも好演し、俳優としての評価を固めた。『君がくれた恋の詩~カシリイッコ~』では、朝鮮時代とはまったく違う現代社会の様子に驚く姿をユーモラスに表現。伝統的な韓服もよく似合う、さわやかな青年になり切っている。ユジョンの暮らす屋根部屋での同居生活や、彼女とのデュエットシーンも見どころだ。
ユジョン役は、20年の『ハイバイ、ママ!』でデビューしたばかりの新人パク・ジョンヨン。キャリアは浅いものの、堂々とした演技を見せ、朝鮮時代と現代を生きるユジョンをはつらつと演じている。そのほか、ユジョンの才能を認めデビューに力を貸そうとするイ・ウォンに5人組のバンドN.Flyingのスンヒョプ、前世の記憶を持ちながら現代を生きるドヨンにガールズグループLUNARSOLARのジアンが扮している。
『君がくれた恋の詩~カシリイッコ~』はABEMAビデオで配信中。
テキスト:佐藤結