俳優・菅田将暉と「SEKAI NO OWARI」のボーカル・Fukaseが27日、都内で行われた映画『キャラクター』の完成報告会に参加。今作で役者デビューのFukaseが「あれから歌番組の評判が良くなった」とプラス効果に喜ぶ場面があった。
同作の内容は、誰も見たことのないダークエンターテインメント。殺人犯の顔を偶然見てしまった漫画家が主人公となる作品で、その描いてはいけない犯人を基にキャラクター化、売れっ子漫画家に転じる展開で進む。漫画家役を菅田、Fukaseは天才殺人鬼役として登場している。
人気バンドとして数々の現場をこなしてきたFukaseだが、ベテラン俳優を相手した演技披露に緊張の連続。また、カメラが回っていない空き時間においても「菅田くんにどうやって話しかけていいのか、一番悩んだ」と戸惑った場面を明かした。
「例えばの話し…僕が『昨日、何を食べました』って、どうでもいいような話しを持ち出したとします。誰かのインタビューで見たような反応、『僕たち、そういう間柄の役じゃないですよね』って冷たく返されそう。そしたら、もう立ち直れないなと思い始めて」と勝手に妄想、最初は気を使ったそうだ。
そこから思い切って行動に移し「何気なく話しかけていいか、スタッフさんに聞いてもらいました。そしたら菅田くんが『どうぞFukaseさんのやり易いようにしてください』って、遠くのほうから返してもらいました。僕から話しかけ、何とか乗り越えたことは、僕の中では重大なミッションでした」とオーバーに話し、笑わせた。
そこから二人の距離が縮まり、思わぬ発見もあったという。
「菅田くんとの色んなシーンを重ねていくうちに、カメラが回ってシーンに入ろうとする直前に、呼吸が変わるんです。たわいもない話しをした後、呼吸を変えることで感情を作っているのかなと想像しました」
その発見をして「僕もそれから歌番組で歌い始める5秒前ぐらいから呼吸を変えてみました。その主人公の感情になるために、呼吸をかえてみました。そしたら評判が良くなったんです。あの現場で間近にいたことで、凄くいいものを盗むことができました」と満足げ。プラス効果を打ち明け、素直に喜んだ。
呼吸の変化について、菅田は「いえいえ、そんな…無理やり作ったんじゃないですか」と言いながら大照れ。呼吸を変えた自覚はないそうで「Fukaseさんはきっと、感受性が豊かなんだと思います」と分析し、笑い合っていた。
映画『キャラクター』は、6月11日から全国公開。なお、今回の報告会には、高畑充希、中村獅童、小栗旬らキャスト陣、そして、永井聡監督と脚本担当の長崎尚志氏も登壇していた。
テキスト・写真:野原誠治