ド平凡女子高生が、幼少期から夢見た学園内ミスコンに出場！しかし不慮の事故に巻き込まれてしまう。ABEMAオリジナルの連続ドラマ『ブラックシンデレラ』は、世に長らくはびこる“ルッキズム（外見至上主義）”に一石を投じる深いテーマもさることながら、学園内カーストや思春期ならではの友情と恋模様が妙にリアル。胸キュン青春群像劇としての見応え十分だ。第2話で取り上げられるのは、誰しも思春期に一度は経験するであろう、亀裂と復元のギクシャク友情譚。主人公・愛波（莉子）と親友・ひまり（鈴木美羽）間に生まれる“友情あるある”が思春期ならではの描写満載で展開する。
不慮の事故で顔に大怪我を負った愛波は、意を決して一ヶ月ぶりに復学する。ところが待ち受けていたのは、これまでとは一転した学園社会だった。愛波をミスコンに誘った学園一のセレブ美女・百合（愛花）は愛波を冷笑。愛波が惹かれる完全無欠のイケメン・圭吾（神尾楓珠）はそんな百合とキス。しかし最も愛波を動揺させたのは、モブ仲間で親友だったひまりの激変ぶりだった。
かつて自分と同じ“その他大勢”だったひまりは、愛波不在の間にカース上位の百合たちイケイケグループのメンバーに。百合からは「ヒマ」と愛称呼びをされて、使い慣れない「～言えし！」「あざ～す！」などというイケイケ言葉も口にするようになった。愛波への態度も冷たく、体育のペア決めの際は愛波を無視して百合と組む始末。百合たちから「ノリ最高～！」と褒められて喜ぶひまりの姿に、愛波は寂しさと孤独感を強めてしまう。
そんな中、ミステリアスな一匹狼転校生・空（板垣瑞生）の歓迎会が百合主催で盛大に催される。「愛波が行くなら俺も行く！」という空の言葉に愛波は渋々パーティーに参加したものの、そこでもひまりと心のソーシャルディスタンスを感じてしまい、寂しさを募らせていく。
しかし、ひまりは圭吾の親友・隼人（兵頭功海）と親しげにしていたことから、百合の取り巻きの女子勢からジェラシーという反感を買ってしまう。「男の前だとキャラを変えるタイプ？」「女出し過ぎ！」「調子乗りすぎ！」と剥き出しの悪意に、心根の優しいひまりは追い詰められる。そんなひまりの窮地を救ったのは、愛波だった。ところが助けに入ったはずみでプールに落下した愛波の顔からは絆創膏が外れ、衆目の前で大きな傷をさらすことになってしまう…。
機転を利かせた圭吾と空によりその場は収まるものの、愛波は「この傷じゃ、新しい友人なんてできない！」と絶望を感じる。するとこんな声がする。「傷とか関係ないから！」。かつての親友・ひまりだった。
ひまりは休学中も愛波を気にかけていた。しかし自分のことで精いっぱいの愛波はその思いやりに気づく余裕を失っていた。ミスコンを機に百合や圭吾たちへ急接近した愛波に寂しさを感じ、疎外感を覚えたひまりは「もうウチなんて必要ない…」とネガティブ思考に陥っていた。学生にとっては、学校内での地位や状況が世界のすべてのように思えてしまう。そんな絶望と恐怖から、ひまりは百合たちのグループに加入。自分一人が浮かないように、ありのままの自分を偽って…。
互いの感情の行き違いを知った愛波とひまりの関係は、亀裂から復元へと無事にまとまった。「一人になりたくない」という恐怖と、幼いが故に生まれた疑心暗鬼。まさにボタンの掛け違い。ひまりの心理や行動は“思春期あるある”として共感大だろう。誤解の解けた二人は涙ながらの抱擁を交わす。困難を乗り越えた愛波とひまりの絆は、より強固なものになったわけだ。その結束が今後の展開にどのようなスパイスになるのか？第3話にも期待したい。
