対戦相手に向けての作戦はどこへやら…。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」の予選Bリーグ第2試合、チーム康光とチーム糸谷の対戦が5月8日に放送され、チーム糸谷の山崎隆之八段(40)は2勝1敗と活躍した。ところが、チーム唯一の勝ち越しと活躍したにも関わらず、対局間にはリーダーでもあり後輩の糸谷哲郎八段(32)にイジられっぱなし。作戦会議ならぬ“反省会議室”と化してしまった。
チーム菅井との第1試合でも活躍した山崎八段。ただ、この第2試合でイジられまくるきっかけを作ってしまったのは、本人だった。最大のポイントは第1局。チーム康光・谷川浩司九段(59)との対戦で、優勢な局面ながらうっかり千日手を成立させてしまい、勝機を逃した。指し直し局で敗れ、仲間の元に戻った時の第一声は「ごめんなさい!」。同一局面が4回繰り返されると成立する千日手について、気づいていなかったと平謝りした。
続いて、谷川九段との対戦になった第4局は、172手の熱戦の上に勝利。今度は褒めてもらえるかと思ったが、待っていたのはやっぱり反省会だった。
糸谷八段 まず1つ伺いたいんですけど、(谷川九段が打った)▲3一金はうっかりですか?
山崎八段 パシッと置いた瞬間に気づいて、よっぽど戻そうかと…。でももう(指から)離れてるかもしれないから、置いちゃいました(苦笑)一瞬で、今までの苦労が…。
糸谷八段 悲鳴があがりました。というわけで、恒例の山崎さんの反省会でした(笑)
勝ちはしたものの、うっかりの一手があったことで糸谷八段、服部慎一郎四段(21)に冷や汗をかかせることになってしまい、恐縮しきりだった。
そして3度目の登場となった第6局。相手チームのリーダー佐藤康光九段(51)にも勝利し、今度こそは100点満点かと思いきや、ここでも反省会は継続。糸谷八段から「今回の反省は」と促されると「課題は明白ですね。実力通り、地道に行かないといけない」と、勝勢になってから微妙な手を続けたことで混戦を招いたと反省していた。
この一連のやりとりにファンは大満足「将棋界随一のエンターテイナー」「山崎ファンタジスタ」「毎回やまちゃんはおもしろい」「説教部屋になっとるw」など、思い思いのコメントを投稿していた。
他チームであれば、負けた本人は反省しつつ、チームメイトから励まされるのが“定跡”だったが、自由な棋風の持ち主が揃ったチーム糸谷は、ここでも自由形。毎回、微笑ましくも反省する「反省会議室」は、進出を決めた本戦でも継続されるかもしれない。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)