根深く定着する外見至上主義(ルッキズム)にド平凡女子高生が「NO!」を突きつけるABEMAオリジナルの連続ドラマ『ブラックシンデレラ』。美に対する世の価値観を改めて問う深いテーマに共感の声がSNSを中心に広がると同時に、ドラマの骨格をなす恋愛青春ストーリーに胸を撃ち抜かれる視聴者も急増している。中でもヒロイン・愛波(莉子)に抑えることのできない好意を抱く圭吾(神尾楓珠)と空(板垣瑞生)のピュアすぎるアプローチの数々は、まさに“胸キュン”純度100%。そのキュンが大量放出される第4話を例に、圭吾と空それぞれの愛波への求愛表現を振り返る。
▶︎動画:圭吾が整形をカミングアウト!激動の『ブラックシンデレラ』第4話
帰国子女&完全無欠のイケメン・圭吾は、タイプ的には猛アプローチ気質。脳味噌よりも先に口や体が動いてしまうことから空回りも目立つが、その分ストレートなので核心をつくことをズバッと言ったりするからあなどれない。親友・滝川から「愛波のなくなった自信をお前が復活させればいい」とアドバイスを受けると「滝川、天才か!?」とやる気満々も、「その筆箱、いいじゃん」「その弁当箱、味がある」と愛波への思いが強いがゆえに頓珍漢ぶりを発揮し、真意がまったく伝わらない。でもその天然おバカ感が神尾の甘いマスクと相まって実にキュート。その一方で再びミスコンに出るよう愛波を説得する場面では、幼少期から愛波の夢がミスコン出場だったことを思い出させ、原点回帰という気付きを与えてハッとさせたりする。
圭吾は空が愛波に告白するところを目撃している。嫉妬に狂うのが普通だが、その感情よりも、圭吾は顔に一生消えない傷を負ったことを理由に恋に一歩踏み出せない愛波の気持ちにやきもきする。空と仲良く歩いている愛波の姿にジェラシーどころから、笑顔の愛波を見て「良い顔してんじゃん」とホッとする。思いやりと包容力の高さ。これぞイケてるメンズ、すなわちイケメンの条件。愛波に対する感情は、ラブを超えて人類愛に近いアガペーのベクトルに達しているのか。
そして「私なんか!」と自らを卑下する愛波に対して、クラスメートたちがいる中で自らのグッドルッキングが、実は整形によるものだったとカミングアウトする。できることならば秘めておきたい真実を、愛波のために暴露する男気。このカミングアウトは今まで築いてきた地位を自ら地に貶める自殺行為でもある。だが圭吾に躊躇はなかった。すべては愛波が前を向いて明るく楽しく、幸せに生きてほしいから。まさに捨て身の愛。すべてにおいてストレートな圭吾の愛はドストライクに胸を打つ。
ならばミステリアスな一匹狼こと空は、レリゴー(Let it go)タイプだろう。すなわち愛波をありのままの愛波でいさせてくれるオアシスのようなマイナスイオン系男子である。誰の目も気にする必要のない解放感たっぷりの屋上を生息地とし、モブに没することもつるむこともなく、ワンオブゼムではなくオンリーワンの存在感を放っている。この生活態様だけでも乙女心を引き込む要素満載だ。
ミスコンを目指す愛波を否定するなど、第一印象は最悪だった。だが逃げた魚を追いたくなるのは自然の摂理で、いつの間にか愛波にとって空は気になる存在に。いざその中身を覗くと、さりげない優しさと思いやりに溢れたいい男であることに気づく。クールからホットの急転直下。ギャップという落差にハートはがっちりと掴まれてしまった。空からの愛の告白を消極的なマインドゆえにすぐには受け入れることができなかった愛波に対して「まずは友達として」と保留を受け入れる余裕もいい。ガツガツしていないのがまた冷静男子的で好感度爆上がりだ。
愛波を放課後デートに誘った際に「緊張してるの?まあ俺もちょっとしてるけど」とほかでは見せないデレ発言を愛波だけには見せてしまう可愛らしさも、普段のクールさと相まってギャップ萌え。自分の姉のルイを愛波に会わせるのだが、その姉こそかつてのミス清蘭。幼少期の愛波に多大なる影響を与えた人だ。さりげなく対面させ、さりげなくルイの苦しかったバックグラウンドを聞かせて、説教臭くなくミスコンの価値を再考させる気遣いと思いやりは人心掌握術に長けている。そして「ミスコンなんて出なくても愛波は充分だよ」と今のありのままの愛波をレリゴー肯定。御託を並べることなく、効果的なワードで的を射るスマートさはデキる男像を体現している。
こんないい男二人に想いを寄せられる愛波。圭吾のセレブフィアンセ・百合も入り乱れた四角関係の着地点はどこに!?そして愛波は、顔に一生消えない傷を負ってしまったトラウマ的ミスコンの場に再び立つのだろうか?今後の深いドラマ性とさらなるキュンキュン到来に期待大だ。