第42回日本アカデミー賞をはじめ数々の映画賞を総なめにした映画『孤狼の血』(2018)の続編『孤狼の血 LEVEL2』が8月20日公開。それに先駆け5月14日、オンラインイベント「孤狼ナイト」が開催され、白石和彌監督がMCを務めた赤ペン瀧川、出演者の西野七瀬、s**tkingzの小栗基裕、そしてサプライズゲストのかたせ梨乃と『孤狼の血』シリーズの裏話を語った。
同イベントは、配信サイトや、お手持ちのDVDなどで『孤狼の血』を再生しながら、みんなで映画を同時に鑑賞しようというもの。『孤狼の血』の舞台は暴対法成立以前の広島・呉原市。暴力団系列の金融会社社員失踪事件をきっかけに捜査する警察と、暴力団組織間の激しい抗争を描く。
映画の前半では、松坂桃李演じる広島大学出身の若手刑事・日岡秀一が勝也演じる元力士のヤクザ「関取」に喧嘩をふっかけ、暴行を受けるシーンがある。そのシーンを観ていた白石監督は「桃李くんは本当にやられる芝居が上手」としみじみ。松坂は『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で初めて白石組に参加しているが、白石監督はそこで松坂の“やられ姿”に惚れ込んだようで「『かの鳥』でも(松坂は)足を刺される演技があったんですけど、それがすごい上手で。それを見て、日岡役にいいかもと思いました(笑)」と抜擢理由を語っていた。
また同作では、日岡のバディでヤクザとの癒着が噂される刑事・大上章吾(役所広司)が薬局で“鮫エキス”をバリバリと食べ「まずい」と吐き出すシーンがある。白石作品ではこの他にも、『日本で一番悪い奴ら』(2016)で、中村獅童演じるヤクザ・黒岩勝典の組が鮫エキスを売りさばいているという描写があり、イベントでは白石監督がこの鮫エキスの元ネタを告白。
「僕の師匠である若松孝二監督が昔、映画を撮れないときに、鮫エキスを輸入してそれを売って生計を立てようとしたんですけど、逆に借金を背負ったというエピソードがあるんです(笑)」
白石監督にはこの他にも「自分にとってのヒーローには痰を吐かせる」というこだわりの演出があるが、同シリーズでももちろん採用。
しかし、意外にも役所は痰を吐き慣れてなく戸惑いを見せていたそうだが、「やっぱり上手だった」と白石監督は大絶賛。続けて、「ただ『LEVEL2』でも何人か吐いてるんですけど。めっちゃうまい人が一人いました」と明かし、『孤狼の血 LEVEL2』への期待を煽っていた。