プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Bリーグの第3試合、チーム康光とチーム菅井の対戦が5月15日に放送され、レジェンド棋士3人が集結したチーム康光はスコア1-5で敗れた。この結果、1勝1敗でチーム糸谷を含めた3チームが並んだが、勝敗数による得失点差で3位に。昨年ベスト4入りを果たしたレジェンド三人衆が、予選で姿を消すこととなった。
あと白星2つが遠かった。チーム初戦だったチーム糸谷戦はスコア5-3で快勝。チーム菅井戦では、勝てば1位で予選通過、敗れてもスコア3-5以上、つまり9本勝負で3本以上取れば本戦進出が決まるという状況だった。ところが第1局、第2局と相手のリーダー菅井竜也八段(29)に連敗を喫すると、その後も押され続ける苦しい状況に。昨年大会でも活躍した森内俊之九段(50)が1勝1敗と踏ん張ったが、リーダー佐藤康光九段(51)と谷川浩司九段(59)がいずれも2連敗を喫し、まさかの予選敗退となった。佐藤九段は「終わってみれば非常にあっという間。自分なりに全力は出し切りましたが、リーダーとしては責任の重さを痛感しています」とコメント。「自分の将棋に関してはミスが目立った」と悔しさも滲ませた。
ただ、3人全員が永世称号の持ち主という「シン・レジェンド」は、その底力をはっきりと示した。前回大会で大活躍した森内九段は、今大会でも3勝2敗と勝ち越し。谷川九段もチーム糸谷との対戦では、A級棋士・山崎隆之八段(40)と1勝1敗1千日手と互角に戦い、同じくA級棋士・糸谷哲郎八段(32)からも勝利を収めた。「早指しは若手有利」が定説の中で、全員が50代というベテラン勢でも棋力さえ十分に備えていれば戦えることを証明した。
昨年の大会後にはチーム康光として書籍も出版され、年始にはエキシビションマッチにも参戦。今大会でも、ドラフト会議でのチーム再結成から、将棋カフェに突如訪問するサプライズ動画など、大会の盛り上げ役としても大いに活躍した。レジェンドたちの戦いが終わったことにファンからも惜しむ声や健闘を称える声が多く寄せられたが、3人はこれからも将棋界の未来のために、この大会に熱い視線を送り続ける。
◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)