映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』登壇イベント「秘密の集会 今こそ愛だ」が5月14日、東京・渋谷にあるミニシアター・アップリンク渋谷で行われ、『ゾッキ』監督の竹中直人、原作者の大橋裕之、そして本日公開のドキュメンタリー映画『裏ゾッキ』監督の篠原利恵が参加。さらに『ゾッキ』監督の一人である齊藤工がClubhouseからサプライズ登場した。

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 竹中から「工、元気!?」と声をかけられた齊藤は「なんとか生きています!快便が出ました!」と腸活にハマっている近況を自らイジり、竹中から「自分で酵素を作っているからね。腸活をしているんだよね」と説明されていた。

 プライベートでもアップリンクを訪れるという齊藤は、今回の連続上映に「とても相性のいい劇場」と太鼓判で、竹中も「とても相性がいいですね!(齊藤に)お客さんの顔を見せられないのが残念。皆さんの眼差しから熱い情熱が感じられます!」とチケット完売という好リアクションに嬉しそうだった。

 大橋氏による初期作品集『ゾッキA』『ゾッキB』と竹中の出会いは2018年。偶然手に取り一読した瞬間に映画化を希望したそうで「山田孝之と齊藤工の顔が浮かんで、音楽Charaに決めていた」とインスピレーションが、『ゾッキ』の座組としてそのまま実現した形なのだという。

 竹中は自身が監督したエピソード『父』について「原作を読んだ瞬間に、絶対に撮りたいと思った。怖いというか、切ないし、ガラスが地面に刺さるシーンとかがとても映像的」と刺激を受けたそうで「監督作としては『R-18文学賞vol.1自縄自爆の私』(2012)以来なので、企画が通って本当に嬉しかった」と『ゾッキ』実現を喜んでいた。

 映画版での『父』は松井玲奈のスキンヘッド姿が衝撃的だが、原作者の大橋は「あの漫画を描こうと思ったのは『リング』(1998)を観て怖いと思ったから。これより怖いものは何だろう?と考えたときに、スキンヘッドで目を見開いた女性からいきなり長文で話しかけられたら怖いと。そこから物語を広げていきました」と意外過ぎる創作秘話を明かした。

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 一方『裏ゾッキ』監督の篠原は、企画がスタートした2020年1月から参加。映画のメイキングドキュメンタリーは初めてだが「面白そうだと思ったし、『ゾッキ』のロケハン段階から撮影地の蒲郡に行って、カメラを回し始めてからは止まることなく、夢中で目の前で起こったことを撮りまくった」と無我夢中だったと振り返った。

 齊藤は『裏ゾッキ』に登場する横田さんという、蒲郡でパン屋を経営する中年女性がお気に入りのようで「もはや『裏ゾッキ』の主人公はパン屋の横田さん。横田さんの娘さんが歌う歌は、竹原ピストルさんに匹敵するくらいの主題歌。しかも『裏ゾッキ』を観ると、横田さんの髪型の変遷もわかる。ヘアースタイルから乙女心が伝わってくる」とマニアックな見どころを挙げて、会場を笑わせた。

 最後に竹中は「まだまだ『ゾッキ』上映は続いていく!」と宣言し、大橋も「皆さんが映画にしてくださらなければ、『ゾッキA』『ゾッキB』は僕が昔描いた単なる変な漫画で終わっていたはず」としみじみ。篠原監督はこの日『裏ゾッキ』が初日を迎えたことに「出来上がったばかりでなんて言っていいのかわからないけれど、本当に今観てもらいたい作品になりました。観客の皆さんそれぞれで感じていただければ嬉しい」と感涙を堪えながら封切りへの喜びを噛みしめていた。

(c)2020「ゾッキ」製作委員会

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