映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』の交互上映トークイベント「秘密の集会 今こそ愛だ」が5月18日、東京・渋谷にあるミニシアター・アップリンク渋谷で行われ、齊藤工監督が演出したパート『伴くん』出演者でお笑いコンビ・コウテイの九条ジョー(伴くん)、森優作(牧田)、木竜麻生(本田)が参加した。

 九条と森は劇中ではクラスメート役。撮影を通して実際に仲を深めたというが「撮影から約1年経ち、コウテイは売れに売れて。(九条は)あの頃の顔をしていない!」と森がチクり。すると木竜も「それは私も思う!こんなんじゃなかったなあと。もう私たちのことなんてどうでもいいのかな?」とニヤリ顔。懐かしの再会からいきなりの針の筵に、当の九条は「木竜!おい、木竜!…というか木竜ってスゴイ苗字!」とパニックのボケでその場をしのいでいた。

 『裏ゾッキ』では、極寒の中での雨降らしでズブ濡れになる九条の極限状態が捉えられている。当該シーンの撮影を振り返り九条は「実際の天気は晴れ。それで機械を使って雨を降らすことになりました。ちょっとだけでいいはずなのに、工さんが『もっと濡らそう!』と言い出した。気温は氷点下で寒いし、海風も直撃。雨を降らす機械もありえない音を立てていた」と齊藤監督のこだわりにクレーム!?あまりの寒さに体は震え、唇も真っ青になったそうで「にもかかわらず工さんは構わず『もう一回!もう一回!』って…。なんなの!?」と不満噴出だった。

 なおも九条の怒りは収まらず「工さんがいつもかぶっているあの帽子…なんですか?メチャクチャでかいハット。それで蒲郡まで飛んできたのかと。こっちはビッチョビチョで寒いのにずっとフッカフカ。足元も完全防寒。体守りすぎ!」と本人不在をいいことに言いたい放題。しかし話題が自身の泣きの芝居の話に移り「麻生ちゃんが写る写真を見ながら涙したのは、本当に麻生ちゃんを想っていたからこそ」と九条が自らの演技に酔い始めると、舞台袖から「泣けないから、わざわざYouTubeで泣けるBGMを流しました。全然涙が出てこないから」となんと齊藤監督の声で真相が!

 実は齊藤監督は、九条の動向を監視(!?)するべくお忍び来場。粋なサプライズに会場は拍手喝采となった。もちろん九条は齊藤監督の来場を事前に知っており、不満噴出トークは集まった観客を楽しませるための…でもちょっと本音の入り混じったコントだった。

 『ゾッキ』で演技に初挑戦した九条に、木竜は「九条さんはピュアな人。フィルターを持っておらず、色々な感情がダイレクトに入ってくる方。『ゾッキ』とメイキングドキュメンタリー『裏ゾッキ』を観ると、九条ジョーを好きになる」と惚れ惚れ。すると九条は「今だから言うけれど、僕も役柄を通して麻生ちゃんのことを好きになりました。クラシックホテルでデートするシーンでは、世界中の花束を集めたようないい香りがした。麻生ちゃんの花嫁姿を見て、本気で結婚しようと思うくらい好きになった」と急に公開ラブコール。

 トークイベント終了後すぐ大阪に戻らなければいけないという九条は「これが最後だから告白する!フラれたら、次の映画に向かえばいい。それだけのこと」と急遽森を証人として木竜に対して愛の告白をすることに。

 何故かレフリー然とした森と、大勢の観客が見守る中で九条は「撮影が終わって改めて、こんな素敵な女性はいないと思いました。大阪と東京で距離は遠いけれど、気持ちはいつでも近くにいるつもり。僕と付き合ってください!」と木竜にプロポーズした。

 それに木竜は間髪入れずに「ソーシャルディスタンスで!」と返答。YESでもNOでもない予想外の返しに「え!?」と驚く九条に、すかさず齊藤監督は「お後がよろしいようで…」と締めくくり、場内大爆笑の中で壮大なコントはこれにて終了となった。

(c)2020「ゾッキ」製作委員会