映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』の交互上映トークイベント「秘密の集会 今こそ愛だ」が5月20日、東京・渋谷にあるミニシアター・アップリンク渋谷で行われ、『ゾッキ』監督の竹中直人、原作者の大橋裕之、『裏ゾッキ』監督の篠原利恵、『裏ゾッキ』プロデューサーの牧有太が参加した。

 アップリンク渋谷が約26年の歴史に幕を下ろす、まさに“ラスト・ショー”の日。前夜20時に発売された50席弱の座席チケットは発売開始数分で完売した。

 閉館に際して竹中は「アップリンク渋谷は本日閉館ということですが、僕はいつかまたアップリンク渋谷で皆さんと会えることを楽しみにしています!思い出にはしたくない!またここでみんなに会いたい!アップリンク渋谷は思い出なんかじゃないぜ!」と復活に期待。『ゾッキ』監督・プロデューサーの山田孝之も音声SNSのClubhouseで急遽参加し「閉館がずっとなのか、それとも一時期なのかはわからないけれど、一旦お疲れ様です!」と閉館を惜しんでいた。

 『裏ゾッキ』には、『ゾッキ』の一編『父』を手掛けた竹中の監督としての姿も映し出される。すると竹中監督は「実は自分が映っているのは恥ずかしくて観たくないんです。あと2年くらいしたら観ようかな?友達からも絶賛の声が届いているので」と『裏ゾッキ』未見という衝撃の告白。まさかの事実に驚く一堂に、竹中は「自分を観るって照れ臭い。『ウォーターボーイズ』(2001)も公開から1年後まで観ませんでした。友達から好評だったので観てみたら『自分ちゃんとやってるじゃん!』と思ったけれど」と打ち明けた。

 映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』の交互上映トークイベント「秘密の集会 今こそ愛だ」は明日5月21日から、場所を変更してアップリンク吉祥寺にバトンタッチ。それに触れて竹中監督は「吉祥寺は大学時代によくデートをした場所だから、そこで『裏ゾッキ』を観る予定」と予告していた。

 自身の初期作品が映像化されたことに大橋は「僕の漫画は描き込んでいないので、完成度は映画版の方が高いです。もはや映画版の方が本物」と太鼓判。篠原監督はロケ地である愛知県蒲郡市について「原作漫画と繋がっているような感じがして、滞在中に『あれ?』と思うような出来事もありました。大橋さんの漫画の世界から抜け出してきたかのような人にも出会いました。蒲郡には何かがある」と聖地化を期待。『裏ゾッキ』は『ゾッキ』未見の観客にも好評で、篠原監督は「もはや『ゾッキ』『裏ゾッキ』の輪廻が始まっている!」と交互上映に手応えを得ていた。

 最後は同館支配人の江崎毅 (えざき たけし) 氏に竹中から労いの花束贈呈。江崎氏は同館最後の新作『裏ゾッキ』に「閉館までの1週間にトークイベントという形でキャスト・スタッフの皆さんに盛り上げていただき、連日完売という最高の最後の作品として上映することができました」と感謝していた。

(c)2020「ゾッキ」製作委員会

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