映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』の交互上映トークイベント「秘密の集会 今こそ愛だ」が5月21日、東京のミニシアター・アップリンク吉祥寺で行われ、『ゾッキ』原作者の大橋裕之、『裏ゾッキ』監督の篠原利恵が出席した。

 この日は音声SNSのClubhouseから、映画『ゾッキ』をロケ地・愛知県蒲郡市で支えた地元メンバーが多数参加。齊藤工監督曰く『裏ゾッキ』の主人公というパン屋の横田さんは「まだまだコロナ禍で経営は大変ですが、昨日お店に『ゾッキ』を12回、『裏ゾッキ』を4回も観てくれたという方がわざわざ来店してくれました。幸せな限りです」と反響に喜び。その一方で「撮影から約1年経って7キロも太った。地元のみんなからは“『裏ゾッキ』は横田の肥満記録だな”とイジられています」と悲鳴を上げていた。

 蒲郡市長の鈴木寿明は『ゾッキ』『裏ゾッキ』を全国で観てくれている観客に向けて「ご鑑賞、ありがとうございます!」と呼びかけて「蒲郡ゾッキ・ファミリーの頑張りは想像以上で感激。蒲郡市を誇りに思います」と有志達の健闘を称えていた。市役所にも映画を観た市外の住民から「映画のポスターを近所に貼りたい」という希望の声が寄せられているという。

 篠原監督は『裏ゾッキ』について「実は公開日(5月14日)の3日前に完成したので、まさにできたてホヤホヤの映画なんです。蒲郡市は緊急事態宣言下にあるので、一部の人しかまだ観られていません。なのでこのような場を設けることができて嬉しい」と住民たちとのトークにしみじみ。コロナウイルスの本格的な感染拡大前の日常も映像に捉えられていることから「住民の皆さんと隣り合ってお酒を飲んだり、カラオケに行ったりできていたのに…。本当にいい日々でした」と懐かしんだ。それにすかさずパン屋の横田さんは「元気があればなんでもできる!」とのエールを送り、会場を微笑ませた。

 原作者の大橋は『裏ゾッキ』を観て「町にポツンと老人がいる姿がインサートされたりして、それがすごくカッコいい映像。個人的には植木の枝を切っているおじいさんが好き」とマニアックな見どころを紹介。さらに「駅前のお店のマスターがお店の外でほら貝を吹いていますよね?自分の地元ながら、とんでもない場所だと思った」と驚くと、篠原監督は「私も初めて見た時はビックリ。これは撮らねば!とカメラを回しました。聞くところによると、20年くらい前から昼の12時になるとほら貝を吹いているそうです。蒲郡にはそんな不思議な妖精がいっぱいです」と茶目っ気たっぷりに町の名人を紹介していた。

(c)2020「ゾッキ」製作委員会

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