今月21日、罪を犯した18、19歳を「特定少年」と定め厳罰化する改正少年法が21日、参院本会議で可決、成立。来年4月に施行される見通しとなった。
現行の少年法では、家庭裁判所から検察官に送られ、大人と同じ刑事裁判を受けるのは殺人など人を死なせた罪だけだが、今回の改正案では、特定少年による強盗や放火などの罪も原則としてその対象となり、有罪になれば少年院ではなく、刑務所に収容されるほか、起訴された段階での実名報道ができるようになる。こうしたことが、刑罰よりも更生を重んじてきた少年法の考え方に反するのではないか、との意見も根強い。
弁護士として少年事件について意見を発信し続けてきた橋下徹氏は22日のABEMA『NewsBAR橋下』で「24年前に神戸連続児童殺傷事件(1997年5月)が起きて少年法の問題が議論されていた頃、極めて少数派だった“厳罰化賛成派”としてラジオやテレビに呼ばれるようになった。だから僕のメディア出演は、少年法がきっかけだったということ」と振り返り、次のように持論を述べた。
「そもそも少年法がなぜ存在するかと言えば、子どもには可塑性といって、元に戻る力、復活する力が強いので、教育をして更生させてあげるんだ、という考え方があるから。確かにデータによれば、大人の場合は刑務所に入って満期で出てきた人のうち、50%以上が再び罪を犯している。一方、少年の再犯率が約34%なので、確かに可塑性はあると思う。ただ、重大事件を起こした少年にも機会を与えるかどうかは激論になるところだ。僕の持論は、18歳はもちろん、17歳でも16歳でも、“許されないライン”というのがあるだろうということ。
感情論なのかもしれないが、他人を殺めた場合には年齢に関係なく、復活はありえないということ。女性に対する性犯罪についても、被害を受けたひとにとっては殺人に匹敵するくらいの話だ。自分の子どもが、一生懸命育ててきた宝が、何のいわれもなく命を奪われて、それで“もう一回チャンスを”と言われても納得できないと思う」。
その上で橋下氏は今回の少年法改正について「自民党、公明党の政治家はよく頑張ったと思う。“厳罰を”という考え方もあれば、“チャンスを”という考え方もある。それを足して2で割っただけだという批判もあるかもしれないが、今までとは違う法律に作り変えたことは頑張ったと思う。ただ、改正案を作る過程では法制審議会での議論を行うが、そこには、いわゆる専門家がたくさんいる中で、少年犯罪の被害者側、ご遺族側は武るり子さんという方が少年犯罪遺族代表として1人入っていただけ。これは不公平だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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