映画『ゾッキ』『裏ゾッキ』の交互上映トークイベント「秘密の集会 今こそ愛だ」が5月24日、東京のミニシアター・アップリンク吉祥寺で行われ、山田孝之監督演出の『Winter Love』で漁師を演じた勝矢と笠原秀幸が登壇した。

 『ゾッキ』について勝矢は「いい意味で緩い映画。一生懸命に観なくていいような瞬間もありながらも、でも気づいたら一生懸命に観ているような感覚。孝之も『大ヒットではなく中ヒットを目指す!』と言っていて驚いた」と不思議な世界観を評価。笠原も「監督が3人もいる映画なんて初めて。ロケ地・愛知県蒲郡市も素敵な場所で、その景色も含めてなんだか楽しくなるような映画です」とアピール。蒲郡市に対して笠原は「ミカンもうどんも美味しい。海風も気持ちが良くて、住民の方々も温かい」と魅力を語っていた。

 山田監督と勝矢は、ミュージカル舞台『フル・モンティ』(2013)での共演をきっかけに意気投合したという。「舞台終わりの打ち上げの後にムロツヨシの家に行って、その後公園でリンゴを食べて銭湯に行って…と二日半くらい一緒にいたことがある。それ以降良くしてもらっている」とすっかり仲良し。山田監督とは10代の頃からの知り合いという笠原も「この映画の出演オファーも山田監督から直接僕の携帯電話にかかってきた」と親しい間柄だ。

 山田にとって『ゾッキ』は映画初監督作。勝矢は「現場での孝之の監督ぶりは皆さんご存知『全裸監督』の監督が洋服を着たような感じ」と山田が村西とおる監督を演じたヒットドラマにかけて笑わせつつ「監督といっても、いつものクレバーな孝之でしたね」と山田監督の立ち振る舞いを回想。笠原は「違和感なく監督をやられていた」と褒めつつも「身振り手振りでの演技指導はやめてほしかった。だって明らかに僕よりも面白くなるから。その部分だけは困った」と俳優監督あるあるに苦笑いだった。

 それでも二人に共通する山田監督の印象は「監督をやっている時の孝之は子供のようによく笑う」(勝矢)、「僕らの演技を凄く楽しそうに見ていました」(笠原)と好印象。監督としての山田の姿は『裏ゾッキ』にもしっかりと捉えられている。

 最後に笠原は「コロナ禍で閉館している映画館も多いけれど、僕は暗闇の中で映画を観るのが大好き。『ゾッキ』『裏ゾッキ』も含めて、観客の皆さんの力で映画を盛り上げてほしい」と期待。勝矢も「今はエンターテインメントが必要な時代。映画館に足を運んでくれる皆さんがいるからこそ、僕らは生きることができている。気軽に映画を観て、みんなで自由にセッションできる時代は必ず訪れます。その日が来るまで頑張りましょう!」とエールを送っていた。

(c)2020「ゾッキ」製作委員会

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