サブキャラクターの高い充実度も魅力の一つだ。ド平凡女子高生・愛波(莉子)が顔に一生残る傷を負ったことから、世に蔓延るルッキズム(外見至上主義)に立ち向かうABEMAオリジナルの連続ドラマ『ブラックシンデレラ』。第6話では愛波の親友・ひまり(鈴木美羽)と整形イケメン・圭吾(神尾楓珠)の親友・滝川(兵頭功海)に思わぬ展開が待ち受ける。愛波、圭吾、百合(愛花)、空(板垣瑞生)による手に汗握る四角関係がひと段落した後のひまりと滝川のピュアネスぶりは、清涼感たっぷりだ。
整形イケメンであるとの圭吾のカミングアウトは、学園内外に大きな波紋を生んだ。中でも滝川のショックは大きかった。なぜならば圭吾を唯一無二の親友だと思っていたからだ。親友ならば隠し事などないはず。それなのに顔面整形という大きな真実を圭吾はひた隠し、滝川にも打ち明けていなかった。まさか愛波との関係性の中で間接的に知ることになるとは。滝川が親友として「なぜ!?」と悲しくなるのも無理はない。
愛波の親友であるひまりに、滝川は「俺は圭吾に距離を取られちゃってるかも。昨日整形のこと聞いて何も言えなかったし。ちゃんと味方したかったのに。でも隠されてたのがなんかショックで。1年生の頃から結構仲良かったし、いや仲良くったって人には言えない事くらいあるってわかってるんだけど。俺だけ勝手に親友だと思い込んでいたのかな」と苦しい胸の内を明かす。
「ごめん。どんだけ小さいんだって話だよね」と複雑な表情の滝川に、ひまりは「小さくないよ。優しくなんて完璧にできるほどうちらまだ人間できてないでしょ。そりゃショックだよね。むしろ一日しか経ってないのに反省モードに辿り着けるの充分凄い。うちは愛波の時何日もかかっちゃったからね。今からでも全力で味方になってあげればいいんだよ。圭吾君もきっと嬉しいと思う」と励ましの言葉を送る。
愛波が顔に怪我を負ってすぐ、心を閉ざす愛波にひまりも上手く対応できなかった。それが知らず知らずのうちに、愛波との心の距離になってしまったのだ。圭吾との関係性に悩む滝川にかつての自分を重ねたひまりは、心に温かいものが宿るのを感じる。それは滝川も同じ。そして「俺ひまりちゃん好き」と愛の告白。ひまりは突然のことに戸惑うものの、返事はYES。なんと『ブラックシンデレラ』第一号カップルは、ひまりと滝川だった。
この成立を唐突に感じる向きもあるかもしれない。しかし実はドラマ前半の段階で伏線はあった。滝川と親しげに会話していたことを理由に、ひまりが百合の取り巻きに詰められるというハプニングがあったではないか。このころから二人はお互いを意識していたに違いない。
自宅で圭吾と餃子パーティー中の愛波に、交際の事実を電話報告するひまりは「愛波のおかげだよ。最近の愛波見ててうちも頑張ろうってなって。だからどうしても愛波に一番に伝えたくて」と親友である愛波に感謝。知らず知らずのうちに愛波は周囲を幸せにしていたというわけだ。
そして舞台は、ミスコン参加者のお披露目会へ。出場に消極的だった圭吾は、覚悟を決めて愛波とともにステージに立つ。整形イケメン出場に異論を唱えるセレブ美女・百合をよそに、滝川は「主役は遅れてやってくる」と待ってましたとばかりの微笑を圭吾に送り「お待たせしました!ミスター清蘭・橘圭吾。満を持しての登場です」と紹介。二人の間に立ちこめていたわだかまりは霧散した。それでもなお「参加を認めるの?」と不満を口にする百合に、滝川は「認めるって… …。元々圭吾は参加予定だから」と親友援護射撃で絆を見せつける。
ひまり&滝川のカップル成立に視聴者からも祝福の嵐。そして圭吾と滝川の揺るがぬ友情関係に視聴者も安堵。この新しい関係性が今後の展開にどのように作用していくのか。第7話の放送が待ち遠しい。