kemio「この怖い時代に生きていることだけでも、強くたくましい」コロナ禍を生きる若者へ伝えたい想い『MILLENNIAL/ミレニアル』
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 ABEMA初のオリジナルドキュメンタリー番組『MILLENNIAL/ミレニアル』。今の時代を牽引する、様々なジャンルの若きトップランナーたちに密着し、多様な生き様や価値観を追いかけて届けるというドキュメンタリーだ。

 俳優の岡田健史、歌手・モデル・俳優として活躍するYOSHI、バレエダンサー永久メイに続いて登場するのが動画クリエイターのkemio。6月3日(木)より配信され、多くの反響を呼んでいる。

▶動画:ニューヨーク、東京…25歳のkemioに密着

 高校生の時にショート動画サービス「Vine」に投稿した“高校生あるある”で注目を集め一躍人気者となったkemio。唯一無二のセンスや言語感覚で、YouTube、SNSで若者から絶大な支持を得ている“デジタル世代”のカリスマだ。番組では動画クリエイターとしてはもちろん、モデルとして、アーティストとして、1人の25歳の若者として彼が普段どのような事を考えているのかを追う。この度ABEMA TIMESではkemioにインタビューを敢行、今回の密着について話を聞いた。(インタビュー前編はこちら

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ニューヨークの自宅でインタビューに応じてくれたkemio

コロナ禍を生きる若者へ「大丈夫だよ」

 番組内では、kemioよりも下の世代、主に10代からの悩み相談に答えるシーンがある。「好きなポップコーンの味」から「自分のセクシャリティについて」など様々な悩みに応じているが、「悩みを人に伝える時って少なからず勇気もいりますし、大切な事なのでエネルギーが削られるじゃないですか。その相手に僕を選んでくれて嬉しい!って思います」と喜びを噛み締めるkemio。

 番組で実際に悩みを相談している若者たちは、kemioに対し「嬉しすぎて何から話せばいいのか分からない!」と興奮気味だが、「なんか信じられないです。“僕なんかでいいんですか?”と思ってしまうくらいで。そういう人になりたいとは思っていましたけど、実際になれると思っていなかったので…」と本人は至って謙虚。「自分でも以前お悩み相談コーナーをやったのですが、その動画を作る時は僕もメンタルが安定している時じゃないと難しかったりするんですよね」と、一つひとつの悩みに真剣に答えている様子が伺える。

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若者からの悩みに応えるkemio、様々な悩み事にkemioが出した答えは?(『MILLENNIAL/ミレニアル』より)

 特に現在はコロナ禍。多くの娯楽が奪われ先の見えないこの未曽有の事態に閉塞感を感じている若者は多いだろう。「簡単に“頑張ってください”とか“大丈夫だよ”って言えないなと思っていて。過去に事例がない出来事がたくさん起こっているから、今、学生の皆さんは僕たち社会人が想像できないくらい、つらい気持ちを抱えていると思うんです。社会人の1年も大事ですけど、学生時代の1年って比べ物にならないくらい大切で。僕も振り返ってみて高校時代の経験が、今につながっているから」。

 「“大丈夫じゃない!私どうしよう”って思うことは仕方ないよ、大丈夫だよって。プレッシャーをかけるつもりはないけれど、この怖い時期に生きていることだけで凄いし、今後この事態が解決した時、今までどんな時代を生きてきた人たちよりも強くたくましいんじゃないかなって思います」と、不安な気持ちに寄り添った。

25歳のkemioが思う「老化」と「成長」

 自身が悩みを抱えた時はどうしているのかを尋ねると「僕は基本的に自己解決しちゃうタイプですね。よほどの事があった時に相談する友達は、1人、2人いますけど。あんまり相談しない方だと思います」とキッパリ。

 「でも、そうやって自己解決ばかりしていると、自分だけの価値観がかたまってきて、年だけとって頑固なジジイになりそうで恐くないですか? “俺はこういうことやってきたんだ”って言い出しちゃいそうで、恐いなって最近思っています。だからバランスが大事!気をつけないと脳みそまで老化しそうで恐いです」と、価値観が凝り固まることへの不安を明かした。

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自分自身を変えたと語る高校時代、母校へ赴く様子も(『MILLENNIAL/ミレニアル』より)

 ちなみに現在25歳のkemioが思う「老化」とは、「僕にとってはまだ体力の部分が大きくて、ディズニーランドに1日行けなくなったとか(笑)、終電が終わって朝まで飲めないとか、そう言う部分で老化を感じます」とのこと。「それ以外の価値観とかは、あまり変わっていないと思いつつも、高校時代の友人とかには“落ち着いたね”って言われます。それは老化じゃなくて成長だと思っているんですけどね」と語る。

 そして自身が描いた“25歳”という年齢について、「高校生の時に、“25歳くらいまでには、今自分がやりたいことをしていたい。それが出来ていなかったら、現実的に将来を見据えよう”と漠然と思っていました」と明かした。

 「貯金とかちゃんとあって安定していて、仕送りとかができているようになっていたいな、と。昔からテレビに出ている人への憧れが強かったので、テレビに出れていたらいいなーとか。だから、昔の自分が今の僕を見たら驚いて、喜んでくれると思います。赤飯炊いてくれると思います!」と笑顔を見せる。

「ひとつひとつを慎重に丁寧にやっていきたいと思うように」今一番やりたいことは?

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「フィジカルなものを残したい」kemioが今一番やりたいこと(『MILLENNIAL/ミレニアル』より)

 「なんでもやってみたら出来るもんだな、と思います」とこれまでの自分の活動を振り返りつつ、「動画を見てくれている人たちが、『見始めた時は中学生だったけど社会人になりました』とか『kemioくんと一緒に成長している感じします』って言ってくれたりして。なんて可愛らしい私たち!って、気分になります。ありがたい場所にいさせてもらっているなって」と日々寄せられる声に感謝するkemio。

 「小学校のときとか刑務所なみに1日が長かったのに、社会に出ると毎日がこんなに華麗に過ぎ去ってしまうんですね」という彼に、今後の展望を聞くと「本をもう一度書いてみたいなと思います。前回の本を書いたのは3年くらい前で、あの時から思っていることも変わっていることもあるので」と明かした。

 密着の最中に「動画とかSNSとか全部消えていっちゃうんじゃないかと思う時がある」と自分の気持ちを吐露していたが、「なんでもかんでもデジタル化していて便利だと思うのですが、本とかCDとか好きなものは物で買っていることが多くて、デジタルの活動もしつつ、フィジカルなものを残していきたいんです」と続ける。

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25歳の今、大切にしたい想いとは(『MILLENNIAL/ミレニアル』より)

 そんなkemioが最近購入したのは雑誌だ。「昔、一般の方をストリートスナップしている『FRUiTS』という雑誌があって、学生の頃から大好きで、先日バックナンバーを見つけたので15冊くらい買いました。インスタグラムとかの影響もあってスナップの文化が減ったと思うんですね。でも『FRUiTS』とか、当時のストリートスナップって、その街に、そのモーメントに生きている人が垣間見えてすごく好きです」と目を輝かせた。

 「アメリカに引っ越してからは、大抵のことはどうでも良いと、ドライに流せるようになりました。ただちょっと矛盾した発言になるかもしれないのですが、昔と比べて、守らないといけないもの、持っているものが増えたので、慎重に、ひとつひとつを丁寧にやっていこうと思うようになってきました」と自身の変化を明かした。

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ニューヨークでの仕事風景(『MILLENNIAL/ミレニアル』より)

 番組では、自身が抱える不安や将来への展望など、ここでしか見ることの出来ない素顔に迫っている。動画クリエイターとして、モデルとして、アーティストとして活躍の幅を広げる彼の今の姿を感じて欲しい。

 「『MILLENNIAL/ミレニアル』kemio ~全盛期に日本を去りNYへ渡った裏側~」はABEMAビデオにて配信中だ。

テキスト・インタビュー:中村梢

kemio ~全盛期に日本を去りNYへ渡った裏側~密着
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