「延長は“しょうがない”という意見の人がほとんど」 イギリスでロックダウン解除延期、なぜ感染再拡大?
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 イギリスで20日に解除される予定だったロックダウンが、新型コロナウイルスの感染が再拡大したことを受けて4週間延期されることになった。

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 ワクチン接種が進むイギリスで何が起こっているのか。ANNロンドン支局の山上暢記者が伝える。

 イギリスで感染数が再び増えている一番の原因として考えられるのは、インド由来の変異株。イギリスの一日あたりの新規感染者数は5月半ばまで2000人台で推移していたが、6月に入って7000人前後に増え、15日は7673人。新規感染者数のおよそ9割をインド型が占めているという。

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 「イギリス政府はロックダウンを1月に始めたが、解除する前提条件のひとつとして『変異型のリスクがないこと』をあげていた。今回インド型がこれだけ流行しているのは、変異ウイルスが今後さらに感染を拡大させるリスクがあると判断して、解除を4週間延期した」

 ロックダウンの解除延期によって、パブ・レストラン(店内6人まで)や屋外での集会(30人まで)の人数制限の撤廃、ナイトクラブの営業再開なども延期になったが、イギリスの人々はどのように受け止めているのか。

 「ようやく営業再開できるはずだったナイトクラブの人や経営者は落胆しているが、一般市民は『しょうがない』という意見を持っている人がほとんど。今回のロックダウンの延長を受けてイギリスの世論調査会社が調査をしたところ、およそ7割がロックダウン延長の政府方針を『支持する』という回答で、そのうち4割が『強く支持する』ということだった。去年の3月から1年間、断続的に厳しいロックダウンに見舞われてきた中で、『元には戻りたくない』『今の少し制限がある状況の生活を続けた方がましだろう』というのがロンドン市民の本音だと思う」

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 イギリスのワクチン接種率は、1回目を終えた人が79.4%、2回目を終えた人が57.4%。ワクチン先進国と言える中で、なぜ感染が再流行しているのか。

 「流行の中心にいるのは、若い世代とワクチンの2回接種を終えていない人たち。イギリスでは50代以下の健康な人にもどんどんワクチン接種が進んできているが、『今日から◯歳以下』と対象年齢を引き下げていく方針をとっていて、やはり20代は後回しになっている。そういう部分で、若い世代とワクチンを打っていない人たちに感染が広がっている現状がある」

 また、インド型にかかった場合の症状について、これまでの代表的な症状とは異なる分析結果があるとした。

 「新型コロナの症状といえば咳や発熱、味覚・嗅覚の異常といったものだが、こういった症状が減ってきているとイギリスの研究団体の調査でわかった。アプリを通して罹患者から症例を報告してもらい分析しているこの団体によると、最近は頭痛や喉の痛み、鼻水といった症状が増えてきている。ちょうどインド型の流行が始まった季節と被るので、これらがおそらくインド型の典型的な症状ではないかと言われている。非常に風邪の症状と似ていて、研究団体も『若い人たちはちょっとひどい風邪かなと思うかもしれない。風邪程度だと思ってパーティー等に出かけてしまうかもしれないが、それは思いとどまって警戒してほしい』と注意を呼びかけている」

ABEMA/『倍速ニュース』より)

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