後を絶たない万引き被害。犯行の瞬間を確認するためでなく、万引きをさせない防犯カメラが登場した。一体どんな仕組みなのか。
「万引きさせない防犯カメラ」が捉えたデモンストレーション映像。男性を囲った四角い枠が白から黄色、そして赤色に変化していく。
まずは陳列棚の前に現れた男性を検知、白い枠で囲みリアルタイムで監視が続けられる。男性がウロウロしたりキョロキョロしたりしていると枠は黄色に。「ちょっとあやしいな」というサインだ。男性が不審な行動を繰り返していくと今度は枠が赤色に。カメラが男性を不審人物だと判定した。画像が店員のスマートフォンに送られ、店員は「いっらしゃいませ。何かお探しですか?」と声をかけることで、万引きを事前に防ぐことができた。
アースアイズ代表取締役の山内三郎さんは「万引き犯は商品を手に取って、その後なぜか辺りを見回したりする行動がある。単純に言うと、自分が見られていないかを確認したい。通常のお客様とはちょっと違った行動を“この人あやしいよ”とスマホにお知らせしてくれるという仕組み」と話す。
秘密はこの黒い箱。AIが組み込まれていて、数百あると言われる万引き犯にありがちな行動がインプットされている。その名も「AI大魔神」。最大16台の防犯カメラで使うことができる。3Dで映像の奥行を把握できる技術が採用されていて、複数の人が重なったとしても個々の動きを判断できる。
「不審者・ストーカーが家の近くにいるとか、泥棒が会社・家の中に来たとか、そういうものに関しても不審行動していると発見しやすい。介護の分野、例えばおじいちゃんが徘徊してしまうとかベッドでの転倒事故とか、そのような予防・抑止には確実につなげられるという結果が出てきた。(AI大魔神は)万引き対策以外にも、今後いろんな形で出していきたいと思っている」(山内さん)
このAIを組み込んだ防犯カメラは、累計およそ3300台がスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどで導入されている。ある店では、赤い四角で囲まれた4割の人に声掛けをしたところ、6割以上も被害が減ったという報告も。
山内さんは「スーパーやドラッグストアなど店の種類よっても万引き犯のとる行動が微妙に違う」と話していて、防犯のプロとしての一面をのぞかせてた。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)