自分に自信の持てない女性を、世の女性たちのロールモデルとなっている人物がプロデュースし、目標に向かって生まれ変わらせる様子を追いかけるドキュメンタリー番組『GX-伝説のキャバ嬢が女の子を大改革-』。7月22日の放送回から、現在は実業家兼モデルとして活躍する愛沢えみりがプロデューサーとして登場する。
人生を変えたい"ヒロイン"として登場するのは、過去のトラウマから引きこもってしまっている19歳でニートの佐藤愛里さん。様々な苦悩や葛藤を抱えながら生きている愛里さんを、愛沢はどうプロデュースして輝かせていくのか? 放送を前にABEMA TIMESでは愛沢を直撃し、自身のこれまでの歩み、そして番組への意気込みなどを語ってもらった。
"自分には何もない"と気づいた20歳
――この番組からオファーがきたときの率直な感想を教えてください。
愛沢:今回、"オファーがきた"と聞いてまず「出ない」と即答しました(笑)。けれど、お話を聞いた時、女の子をプロデュースするという企画で、すごく興味がある分野なので、出演させてもらうことにしました。内容を聞いて、気持ちが動かされましたね。
――なぜ、「出ない」と即答したのでしょうか?
愛沢:最近はあまりテレビなどに出ないように、意図的にしていたんです。以前は、私が表に立つことで"仕事を軌道に乗せる"というスタンスでした。けれど、それだと会社や仕事自体が成長しているわけではないと思ったんです。キャバ嬢を引退した頃から私は裏方にまわって、本業を成長させるべく仕事と向き合ってました。それまでは自分の中にも"表に出たい"という気持ちはあったんですが、スタンスを変えたんです。
――なるほど。愛沢さんはYouTubeでもプロデュース企画を行っていますが、そうした女性と接する中で、自身の過去などを思い出すことはあるのでしょうか?
愛沢:あります。最初に初めて相手の話を聞いたときに、"自分もそうだったな"とか、"私の方がやばかったからこの人はすごいな"と思ったりとかは全然しますね。私は過去の自分がとにかく酷かった(笑)。そんな昔の自分を知っているからこそ、誰もが可能性を持っていると思えるんです。
――愛沢さんの言葉をお借りしますが、その「とにかく酷かった」時代について教えてください。
愛沢:20歳まで仕事もしない、何もしない、本当に無気力な人間でした。外見的に何かに悩むというよりは、どちらかというと人としてダメで。自分の好きなことしかしたくないし、努力もしたくない……簡単に言うと、社会不適合者でしたね。
――そんな時期をどのようにして乗り越えたんですか?
愛沢:仕事です。でもキャバ嬢を始めたのも、当時付き合っていた彼氏と別れて、"自分には何もない"と気づいて、その時に初めて焦ったからです。そこから仕事していく中で、外見に対するコンプレックスも出てきました。
――当時は彼氏に依存していた?
愛沢:そうです。若い子によくあると思うんですけど、まさに恋愛が全てだった時期というか。私は「働かないでも、女の子は結婚すれば幸せになれるからそれでいいじゃん」という考えでした。彼氏と別れて、自分には何もないと気付いたのが20歳の時ですね。
黒服さんとの出会いが私を良い方向に導いてくれた
――そこからカリスマキャバ嬢の道のりを歩むことになるわけですが、最初から順風満帆でしたか?
愛沢:いえ。歌舞伎町で働くことになって、「どうせやるなら頑張ろう」とは思っていましたけど、最初はダメダメでしたね。お店のスタッフさんとの良い出会いがあったのが大きかったと思います。
――良い出会いというのは?
愛沢:当時働いていた黒服さんがすごく優しい方だったんです。くすぶっている私に対し「とにかく、お店に来ることを頑張ろう」と言い続けてくれたんですよ。
――"売り上げがどう"とか、"接客態度がどう"とかではなく。
愛沢:そうです。ダメダメな私にマッチした教育をしてくれたから、自分を変えることが出来ました。なので私は今でも人から相談を受けた時に、ただ単に正論を言うんじゃなくて、その人に合ったアドバイスの仕方をしようと心がけているんです。
――愛沢さんにとって指導者のモデルがいるんですね。確かに、同じ教育方法でも「響く人」と「響かない人」は出てきます。
愛沢:そうなんですよ。大体の人って"自分のダメなところ"を理解はしているんだけど、それをそのまま言われても"うるさいな"となってしまう。自分でもわかっていることって大切な家族に言われても、時に嫌だったりもするから。でも私は黒服さんに褒めてもらえたのがうれしかったし、こんな私でも"やれば出来るかもしれない"と思わせてくれました。それは、今の私がプロデュースする側として大切にしていることです。
――当時の彼氏と別れるまで、そして黒服さんと出会うまで、"こんなに自分って変われるんだ"と思っていましたか?
愛沢:思ってないですね。ちゃんと働くとも思っていなかった。その後も私にとって"キーパーソン"となる人に出会うんですけど、やっぱり人との縁は大切だと思います。ともかく、その黒服さんとの出会いが私を良い方向に導いてくれたのは間違いありません。「頑張ろう」とだけ言うのじゃなくて、「仕事を楽しくやってみたら?」と提案してくれたことにも感謝しています。今回の番組も、出演してくれる子にとってそんな出会いの場になると良いですよね。
言葉よりも真実は表情に出ていたりする
――愛沢さんが変われたのが20歳の時。今回、プロデュースする愛里さんは19歳です。そう考えると、"自分を変えたい!"と願うのは全然遅くないですよね。
愛沢:全然遅くないですよ。まず、コンプレックスを人に話せるというだけで、すごく素敵なことだと思うし、ものすごく伸びしろを感じました。辛かった過去を話せる強さがあるからこそ、ちょっとだけ考え方を変えさえすれば、違った魅力を身に付けていけるんじゃないかなと思うんです。
――どんな言葉を掛けて、プロデュースしていくつもりでしょうか。
愛沢:まず私は、言葉というよりジェスチャーで伝えちゃうタイプなんです。言葉で伝えるのがあまり得意じゃないから、相手の表情だったりを見て、納得してくれていないのを感じたら、ちゃんと説明するようにします。
――その"表情を見る"というのは、キャバクラ時代に培ったスキル?
愛沢:そうですね。お客様が心の底から喜んでいたり、満足してくれたかは、ふとした仕草に出たりするんですよ。逆に「ありがとう、楽しかったよ」と言葉で言ってくれても、もう2度と来てくださらない方もいます。そういうお客様との時間を思い返すと、やっぱりどこかで不満そうな顔をしてたりする。言葉よりも真実は表情に出ていたりするものなんです。
"変わりたい"という気持ちさえあれば絶対に変われる
――現在、モデルや様々な事業やプロデュースなど多岐にわたってご活躍されていますが、仕事以外で興味があることがあれば教えてください。
愛沢:歴史を知ることですね。
――それはなぜ?
愛沢:昔あった出来事を知ると、今後の自分の役に立つんです。人間関係の成り立ちって今も昔もあまり変わっていないと思います。つまり"なるべくしてこうなった"とか、"だったらこうならないように気をつけよう"など、昔起きた出来事の中に教訓があるんじゃないかなって。
――今の立場になって、歴史に興味を持つようになった?
愛沢:そうですね。昔は歴史に興味なかったけど、気持ちがわかるようになってから面白くなりました。例えば、調子に乗っちゃってダメになる人って大体、周りに裏切られる。歴史もそれと同じパターンが多いですよね。そういうのを知ると、人間って面白いな~と思います。
――無気力だった頃から考えると、ものすごい意識の変化ですね。
愛沢:そうですね。昔はこんな感情抱かなかったですから。やっぱり仕事をすると人は変わると思います。変わりたいと思うなら、仕事を一生懸命するのが1番良いですね。
――お金以外にも与えてくれるものがあると。
愛沢:むしろ、そっちの方が多いと思います。
――では、最後に番組への意気込みをお願いします。
愛沢:人って"変わりたい"という気持ちさえあれば絶対に変われると思います。今回、変わりたいと願う愛里さんと私がマッチングした時に、どう変化していくのかを見てもらえたら面白いと思うし、私自身も愛里さんが変わっていって、キラキラしていく姿を見るのが楽しいから、すごく収録が充実しています。
――では今回のプロデュースに自信あり?
愛沢:めっちゃ可愛くなると思います。初めて見た時から、ポテンシャルの高さはすごく感じました。なにより19歳なのにすごくしっかりしている。私が19歳の頃と比べたら、全然すごいし、最後には輝く姿をお見せ出来ると思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
取材・文:中山洋平
『GX-伝説のキャバ嬢が女の子を大改革-』
放送チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル
視聴ページ:https://abema.tv/video/title/221-127
■出演者:
【ミューズ出演】エンリケ、愛沢えみり、一条響
【MCスタジオ出演】小沢一敬(スピードワゴン)、青山テルマ(歌手)
【主題歌】ちゃんみな『美人』