「何かに向けて必死にもがいている人が共感できる」伊藤昌弘・古賀葵「ぼくリメ」インタビュー
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 7月3日(土)より放送されるTVアニメ「ぼくたちのリメイク(ぼくリメ)」にて、主人公・橋場恭也役を演じる声優の伊藤昌弘と、ヒロインのシノアキこと志野亜貴を演じる古賀葵インタビューを実施。「ぼくリメ」の魅力はもちろん、芸大の映像学科で映像制作に関わる恭也たちへの共感ポイントや、アフレコ時の互いの印象などを伺った。

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 「ぼくリメ」は、木緒なち氏が手がけるMF文庫J「ぼくたちのリメイク」が原作。ゲームディレクターを務めるも会社が倒産してしまった恭也は、実家に戻って同世代クリエイターの活躍を目の当たりにしてふて寝をする。目覚めると、自身の大学入学時である10年前の2006年に巻き戻っていた。

 憧れのもの作りに関わる人生をやり直すべく芸大への道を選び、絵を描くのが大好きなシノアキらクラスメイトたちとシェアハウスで新生活をはじめる――というストーリーだ。

誰しもが共感できるところがある「ぼくリメ」という作品

――お2人が「ぼくリメ」の原作を読まれた時の第一印象からお聞かせください。

伊藤:もの作りをしている人の感情や情景が、良い意味で綺麗になり過ぎずに描かれていることが素敵だと思いました。自分がやりたいことや好きなものに向き合うときの楽しい気持ちだけじゃなくて、苦しみや葛藤もしっかりと描かれていて。

古賀:私はまずタイトルを見たときに、「何をリメイクするんだろう?」という疑問があったんですが、原作読んでみて「なるほど、こういうことか!」と思いました。原作に触れていくうちに、自分が今まで生きてきた道でも「こういうことがあったなぁ」と考えさせられることが多くて。あのときこうしていればという気持ちは誰しもが思うことなので、すごく共感できるところがある作品でしたね。

――声優というお仕事をされていて、本作の登場人物を演じられているお2人が思う、「ぼくリメ」の魅力とはどんなところでしょうか?

伊藤:自分は今でこそ声優というお仕事をさせていただいているので、アニメやゲームに触れる機会が多いですけれど、それまでは音楽を作ったり演奏したりという活動をしていたんです。音楽やアニメ、ゲームといったジャンルを分ける必要がなく、創作する上で壁にぶつかっている人はもちろん、何かに向けて必死にもがいている人であれば、「ぼくリメ」で描かれていることに共感できて背中を押してくれると思います。とにかく、何かを頑張っている人に見てもらえれば、響くものがあるのではないかなと!

古賀:見るとより燃えそうですよね。

伊藤:本当にそうだと思います!

――古賀さんはいかがでしょうか?

古賀:伊藤さんのおっしゃるように頑張っている方にも見て欲しいですが、今は情勢的にこれまで積み重ねてきたものが振り出しに戻ってしまった方や、一気に変わってしまってこれからどうしようと思われている方もたくさんいらっしゃると思うんです。

 「頑張るって何だろう?」とか「夢中になるってどういうことなんだろう?」という感覚がわからなくなってしまった人や、そういう感覚になったことがないという人が見ても「こういうことなんだろうな」と、わかるきっかけになるような作品だと思うので、本当にいろいろな方に見てほしいですね。

伊藤:ゲームディレクターや映像のお仕事ってみんながやっているような職業ではないのですが、実は共感できることが多いんですよ。僕自身も映像学科には行ったことがないですが、こんなにも共感できている。そういうストーリーになっているんです。

古賀:自分の持っている才能をうまく発揮できなかったり、自分にできることを探すということが描かれているので、響く人は多いと思います。

全力でぶつかってできなかったことを、できるようにしていかないといけない

――伊藤さんが恭也を演じる上で、気をつけられたポイントや印象的だったことはどんなことでしょうか?

伊藤:アフレコの際にうまく演じられなくてお時間を割いてしまったんですが、単純に録り終えればいいということではなく、ちゃんとストーリーや恭也の心情を丁寧にスタッフの方に教えていただいたことで、湧き上がる気持ちやセリフに寄り添うことができたんです。

 やっぱり熱い作品には熱い人が集まるのだと、ほかのキャストの方や音響監督の納谷(僚介)さんはじめ、スタッフの皆さんとご一緒させていただく中で感じました。

――恭也にシンクロする部分も多かったのでしょうか?

伊藤:人と比べるわけではないですが、僕自身が演技をはじめるのが遅かったので、そこが恭也とも通じてうまく作品と現場がリンクしたと思います。遅かったかもしれないけれど、全力でぶつかってできなかったことをできるようにしていかないといけないぞと。

 そうして向き合っていくと、「恭也だからこう言うだろう」とか「これは伊藤の考えだから」といった意識がなくなって、とてもフラットになったんです。スタッフの皆さんにも感謝していますし、作品にも縁があったんだと感じました。

――恭也もわりと器用に何でもこなしていきますからね。

伊藤:やっぱり彼も(28歳の記憶を持ったまま)10年前に戻ったとはいえ、新しいルートを進んで初めての経験をしているじゃないですか。そこも繋がっていると思います(笑)。

古賀:お話を聞いていてもすごく感じたんですけれど、伊藤さんはまっすぐで一生懸命に演じられていることが本当に伝わる方なんです。現場でも時間をかけてしまってとおっしゃってますが、全然そんなことはなくて! 「もっとこうしよう」というスタッフさんからの指示に、熱い想いを持って食らいついていくんですよ。

 そういう姿を見ていると「私も頑張らなきゃ!」って。そういう精神面でも引っ張っていただいたので、とても感謝しております。

伊藤:いやいやいや、恐れ入ります! こちらこそいつもありがとうございます。

シノアキはいろいろなことをすごく自然に考えられる子

――逆に伊藤さんから見たアフレコ現場での古賀さんの印象はいかがでしたか?

伊藤:すごく素敵な心を持っている方なので、現場にいらっしゃると作品の話はもちろん、世間話をしてなごましてくださって、「頑張りましょう!」という言葉もかけていただきました。そしていざアフレコで演技に入られると、たしかにシノアキがそこにいたんです。役作りの気持ちや技術ということも含めて、自分にできないことを普通にやられていて、「プロってこういうことだよな」と教えていただきました。

 感染症対策をしながらのアフレコ現場だったので、通常よりも少ない人数で収録していたのですが、だからこそ存分に勉強させていただけたのは贅沢な時間でした。自分も頑張って、いずれ古賀さんのようになっていこうと思います。

古賀:そう言っていただいて、恐縮です!

――そんな古賀さんがシノアキを演じる上で気をつけた点や、印象的なところはどんなところでしょうか?

古賀:シノアキは福岡出身の田舎育ちで、私も佐賀県から東京に出てきたので地方からはるばる都会にやって来た気持ちがわかるんです。私のお母さんやお父さんもシノアキくらいおっとりしているので、土地柄もあってこういう性格になったのかなぁって(笑)。

 博多弁指導の方も現場にいらっしゃって、「この方言はお婆ちゃんは言うけれど今どきの若い子は言わないよね」とか、相談しながら収録をしていたんです。シノアキの場合は、福岡出身だからとか若いからとかそういう基準ではなく、シノアキだからこそ言うよねという言葉も出てきて、そういうところも魅力だと思いました。

――シノアキならではの方言、とても気になります。

古賀:言葉にシノアキだからこそ成立する雰囲気をまとっているので、あったかい気持ちになれました。けっこうふわふわとしていて感覚のまま思ったままで生きている子に見えるんですが、たぶん彼女は自分で気づいていないと思うんですけれど、いろいろなことをすごく自然に考えられる子なんだと演じながら思えたんです。

 本人は無自覚だけど、いろいろな人の気持ちに寄り添える子だから、ここは何も言わずに聞いているだけにしようと自然にできたり、的を射ているのか射ていないのかわからないような言葉を言っているように見えて、ある人には響く言葉を言っていたり。そういうことが多いですね。だからこそ恭也にふとした瞬間に投げかけた言葉が、ハッとするような言葉になったりするのかなと。

――最後に放送を楽しみにしている方に向けて、メッセージをお願いします。

伊藤:原作を読ませていただいたときから共感するところがあり、「何としても演じたい!」とこんなにも強く思えた役にめぐり合わせていただきました。今の伊藤にできることを、様々な方に助けていただきながら全てぶつけました。ぜひ皆さんにも共感して楽しんでいただけたら嬉しいです。

古賀:アニメを見ていただいて「こういうことか! (このインタビューで)これを言っていたのか!」と感じてもらえると嬉しいですし、もの作りが題材ということで作っているこちら側の熱量も高いので、その熱量が「届け! 届け!」と願っております。それくらい熱い気持ちがこの作品には詰まっているので、何かしら感じるものや変化できるものが一人でも多くの方にあればいいなと思います。

TVアニメ「ぼくたちのリメイク」概要

「何かに向けて必死にもがいている人が共感できる」伊藤昌弘・古賀葵「ぼくリメ」インタビュー
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【CAST】

橋場恭也:伊藤昌弘

志野亜貴:古賀葵

小暮奈々子:愛美

河瀬川英子:東山奈央

鹿苑寺貫之:石谷春貴

加納美早紀:沢城みゆき

火川元気郎:高橋英則

桐生孝史:田丸篤志

樋山友梨佳:大塚紗英

杉本ミキオ:落合福嗣

柿原将:中島ヨシキ

橋場美世子:反田葉月

【STAFF】

原作:木緒なち(MF文庫J「ぼくたちのリメイク」/KADOKAWA刊)

キャラクター原案:えれっと

監督:小林智樹

シリーズ構成:木緒なち

キャラクターデザイン:川村幸祐

音響監督:納谷僚介

音響制作:スタジオマウス

音楽:Elements Garden

音楽制作:ブシロードミュージック

プロデュース:フロントウイング

アニメーション制作:feel.

【公式HP】https://bokurema.com/

【Twitter】https://twitter.com/bokurema_anime

(C)木緒なち・KADOKAWA/ぼくたちのリメイク製作委員会

取材・写真・テキスト/miraitone.inc

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