ABEMA『NewsBAR橋下』のゲストは2016年に農業支援ベンチャー・ビビッドガーデンを創業し、オンライン直売所「食べチョク」を運営している秋元里奈氏。秋元氏と橋下氏は「第一次産業の“この先”」について意見を交わした。
秋元氏は「特に飲食店向けに出荷していた方々は販路がなくなって困っている。“この状況がずっと続いているんだから、何か打ち手があったんじゃないの?”みたいな声も頂いたりするが、そもそも主に飲食店で消費されていたものについてはは、なかなか業態チェンジすることも難しい。消費者も当初は“余ってるんだ。何とかしないと”ということで“応援消費”する流れがあったし、そういう情報を発信することでネットで売り切れるということもあったが、飲食店さんを含めて“困っている”という声があまりにも多いし、1年以上経って、もう続かなくなってきた。
私たち自身もやり方を変えないと、ネットで売るだけでは難しくなってきていると感じる。そこで私たちが今月から始めたのが、飲食店のシェフの方々とタイアップして、困っている食材をメインに使ったポップアップのレストラン。リアルで来店できる人が限られてしまう時期なので、調理したものを通信販売することも始めた」と話す。
その上で、「実は行政も様々な支援策を打ってくださっている。例えば売上が著しく下がってしまっている生産者さんについては農水省が送料を全額負担してくれるという取り組みがある。その他にも生産者個人への給付金など、調べれば出てくるが、逆に言うと頑張って調べないと、生産者さんたちに情報が入ってこない。これだけ頑張ってやっているのに、アクセスしづらいのがもったいない。私たちとしては生産者さんたちが続けてくれれば嬉しいので噛み砕いてお伝えしているが、政府にはそこもやっていただけるとより良くなるかなと思う。
支援策が決定するのがギリギリだったりすると、それこそ“すぐには生育は止められない”とか、“もう収穫しちゃったよ”、“もっと早く言ってくれてたら、もうちょっと畑に置いておいたのに”ということになる。飲食店の先には生産者の方もいるし、卸、市場の方もいらっしゃるので、いきなり数日後から、となっちゃうと予定が組みづらいこともある」と指摘した。
橋下氏は「農水省が送料を負担しているという話は僕も知らなかった」と驚きつつ、「行政は農業以外にも山ほど支援策を用意しているが、それらが伝わっていないから困っている人に使えない。これは役所の決定的な問題点で、市場で競争に晒されている民間事業者は良い商品、良いサービスを作っても伝わらなければ買ってもらえないから、そのための努力を一生懸命にする。でも、役所は倒産しないから、せっかく良い商品=政策を作っても、何とか届けよう、買ってもらおう、というところに力を入れないから、もったいない」とコメント。
その上で「逆に、生産者の窮状も政治に伝わっていないのではないかと感じる。僕もコメンテーターとして“特にアルコールを伴う飲食は飛沫感染のリスクが高いので、申し訳ないけれど、感染防止のために営業を止めてください、制限してください”と言ってしまっているが、どうも“止めたらいい”を簡単に言い過ぎている風潮があると思う。行政の立場として、医療体制を崩壊させてはいけないという考えから、営業時短要請、アルコール提供禁止要請をしてしまう気持ちは分かるが。
でも、1人だったら夜9時、10時まででもお酒を飲んでもいいんじゃないのと思う。“塵も積もれば山となる”じゃないけど、1人飲みのお客さんが全国で1時間でも2時間でも長くお店で飲んだり食べたりしてくれれば、ちょっとでも生産者にプラスになるはずだ。その点、なんとか営業を継続させよう、やり方はないか、と必死になって模索しようとする、その意気込みが政治から感じられない」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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