アメリカでここ数年急激に伸びている、“歴史を変えるかもしれない”と言われている新しいアルコール飲料がある。その名も、「ハードセルツァー」。フルーツの風味がついたアルコール入り炭酸飲料、日本で言う「チューハイ」のようなものだ。
コロナ禍で家飲みが増え、缶入りアルコールの需要が高まる中、市場拡大に大きく貢献しているこのハードセルツァー。サトウキビを発酵させた作ったアルコールが主な原料で、アルコール度数は5%程度、カロリーも1缶80kcal程度に抑えられており、健康志向の高まりと相まって伸びている。アメリカ国内で60~70ブランドが出ていて、酒を飲めるようになった21歳から、40歳ぐらいまでの若い世代に飲まれているという。
アメリカ版“チューハイ”のブームについて、楪望アナウンサーは「アメリカに行ってお酒を飲みたいなと思った時、炭酸っていうとビール。他に何か飲みたいと思っても、レッドブルウォッカなどのように元が炭酸の飲料で割ることしかできなくて、チューハイというものがなかった。むしろ今までなかったのが不思議なくらい」と疑問を呈する。
これに元ANNアメリカ総局長の名村晃一氏は「ウォッカやテキーラを使ったカクテルを食前酒として頼むケースは多いが、アルコール度数が高いため、まさにこういうのが欲しいというのがあった。アルコールは“こういう飲み方をするんだ”という保守的な部分もあって、ハードセルツァーはまさに抜けていた部分。缶入りが主流だが、コロナが明けて最近は生ビールのようにお店で出すようになってきている」と説明。
また、「お酒を飲んでベロベロになるのは“あまりかっこいいものじゃない”、お酒を“爽やかに飲む”というのは世界的な若い人たちの考え方だ」とした上で、「このハードセルツァーが缶入り飲料の雰囲気というか飲み方、ファッション性も変えたと言われている」とした。
名村氏は「ハードセルツァーもアルコール度数の高いものを出したりと工夫しているが、日本市場のきめ細かさまではまだいっていないので、なかなか日本に入り込むのは大変かもしれない」との見方を示した。
(ABEMA NEWS)