28日、羽田空港の国際線ターミナルのウイルス検査場で、空港検疫の現場を視察した菅総理。「(五輪関係者が)完全に一般の方と離れて接触しないような、そうした対応になっていた」と水際対策に絶対の自信を示した。
空港検疫をめぐっては、来日したウガンダ選手団で入国後に感染が発覚するなど、不安の声が聞かれる。オリンピック開幕が近づき、来日する選手・関係者が今後増える中、対策は本当に万全なのか。テレビ朝日政治部・官邸担当の野中里紗記者が伝える。
Q.水際対策の強化で何が変わる?
ウガンダ選手団の時は、空港検疫で陽性者が1人出て、それ以外の人はそのまま泉佐野市(ウガンダ選手団の受け入れ先)に移動し、移動先で新たに1人出て、泉佐野市の職員も濃厚接触者になってしまった。
今回は、空港で濃厚接触者と判定された人は濃厚接触者だけのルートで自治体に移動することになったので、自治体の職員が濃厚接触者になってしまうといったことは起きない対策に変わる。空港で濃厚接触者全員を留め置いておくとパンクしてしまうという事情もあるようで、移動するという判断に変わりはないようだ。
Q.移動手段はどのように?
今の段階だと、濃厚接触者と濃厚接触者ではない人を別の移動手段で、車を使うというところまでは出てきているが、具体的にどういったという細かいところは詰めていると思う。
Q.濃厚接触者を乗せる車・バスの運転手などは濃厚接触者になってしまうのでは?
バスの運転手やアテンドの人がいるので、そういった人をどうやって濃厚接触者にならないようにするかが課題だと思う。まさしく今そこを詰めているところではないか。
Q.成田空港、羽田空港以外の空港はどうなっている?
外国の選手を受け入れる空港は成田と羽田が基本になるので、この2つの空港では濃厚接触者が出てしまったら移動手段を分けるというのを実施することになる。
Q.今回の「バブル方式(※)」は海外でも実績があるもの?
先日、菅総理がG7に参加したが、同行していた日本のメディアなどはまさしくバブル方式で、それで日本に帰ってきている。実際に行われている例はある。
※バブル方式…選手や関係者を泡のように包み外部との接触を遮断する方法
Q.「バブル方式」には穴があるのではないか、との指摘もあるが
ウガンダ選手団はまさしくバブルの中にいる人たちで、泉佐野市の職員たちはバブルの外にいる人たち。この泉佐野市の職員が濃厚接触者になるということは、“バブルに穴があった”ということになってしまう。今後こういったことがないようにしてほしいというのは、田村厚労大臣が組織委員会で検討するように促しているので、遠くないうちに組織委員会の方からも対策が発表されるのではないか。
Q.五輪関係者や各国首脳など来日する人が増えてきた場合の対応は問題ない?
粛々と対応していくのでは。外国の要人については、1人につきボディガード的な同行者を40人までと絞っているので、そういったルールの中でどれだけ外国の要人が来れるのかも注目される。