「じめこ」におまかせ!村山慈明七段、2戦2勝の大活躍にファンも「研究深いな」「頼れるじゃん!」/将棋・ABEMAトーナメント
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(2枚)

 愛され「じめこ」の快進撃だ。プロ将棋界唯一の団体戦「第4回ABEMAトーナメント」予選Eリーグ第1試合、チーム斎藤とエントリーチームの対戦が7月3日に放送され、チーム斎藤の村山慈明七段(37)が2戦2勝の活躍で、チームを勝利に導いた。初のフィッシャールールにも、事前の対策はばっちり。練習と研究の成果を出し、ファンからも「序盤の村山」「じめこ強い!」と多くの声を集めた。

【動画】個人2連勝と活躍した村山慈明七段

 村山七段は2003年10月、19歳でプロ入りを果たした居飛車党の棋士。序盤戦の深い研究で知られ、ファンの間では「序盤は村山に聞け」と言われるほどだ。また「慈明」という時から「じめい」、さらに転じて「じめこ」とも呼ばれ、過去には「聞き手・じめこ女流7級」と名乗ったこともあるほどだ。

 リーダー斎藤慎太郎八段(28)からドラフトで指名を受け、大会初出場となった村山九段は、「ちょっと緊張しているんですが、チーム3人とずっと練習もしてきましたし、個人でもしてきました」と、準備に抜かりはないと話していたが、それは見事に結果となって現れた。

 初の出番は第3局。藤森哲也五段(34)との対戦だった。藤森五段は、ドラフトから漏れた棋士によるエントリートーナメントを、振り飛車穴熊を使い続けて5連勝を果たした棋士。村山七段も、対戦するとなったらこの作戦に対応すべく研究を重ねていたとも明かしていた。予想どおり、藤森五段が後手番から四間飛車・穴熊を用いると、村山七段も居飛車穴熊にかまえて、力強い展開に。チームメイトの都成竜馬七段(31)から「強いなぁ」とため息交じりの声が出れば、斎藤八段も「穴熊をやらせてはいけないのは、村山さんだったのかもしれない」と、その指し回しを称えていた。息詰まる戦いは143手で村山七段の勝利。「本当に緊張して、今でも心拍数がかなりすごい」とそれだけプレッシャーがかかる中でも、強固な穴熊で勝ち切った。

「じめこ」におまかせ!村山慈明七段、2戦2勝の大活躍にファンも「研究深いな」「頼れるじゃん!」/将棋・ABEMAトーナメント
拡大する

 一度勝てば気分も落ち着くというものだ。勢いに乗って第4局も連投し、相手のリーダー小林裕士七段(43)と対戦。早見え早指しのベテランに対して、後手番から一手損角換わりを採用。最終盤には詰むや詰まざるやの大激戦になったが、「ずっと難しくてわからなかった」と振り返る一局をものにし、2連勝を果たした。

 イケメン三人衆のエースは、リーダーである斎藤八段と思われていたところ、この第1試合に関して言えば、大活躍したのは村山七段。「普段の対局とは全く違った独特の緊張感でした」と振り返る表情には少々疲れも見えていたが、充実感にも浸っていた。ファンからも「さすがジメコ」「じめこはやっぱ研究深いな」「じめい頼れるじゃん!」と祝福の言葉を寄せられた「じめこ」。次の戦いでは、どんな序盤研究を披露するか。

◆第4回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名漏れした棋士がトーナメントを実施、上位3人が15チーム目を結成した。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選、本戦トーナメント通じて、5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。

ABEMA/将棋チャンネルより)

チーム斎藤の3人
チーム斎藤の3人
勝ちにも満足しない梶浦宏孝七段
勝ちにも満足しない梶浦宏孝七段
村山慈明七段、絶好調
村山慈明七段、絶好調
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(2枚)