「5年で約154万人の幹部が失脚」台湾と同時に尖閣諸島も? 中国・習近平主席の狙い
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 7月1日、創立100周年を迎えた中国共産党の祝賀イベントが北京の天安門広場で開かれた。戦闘機が駆け抜ける空の下、集まった約7万人に向けて習近平主席は「偉大、光栄、正しい中国共産党、万歳!」とスピーチ。広場には、党を称える歌が響きわたった。

【映像】「毛沢東氏と同じ…」“灰色の人民服”を着た中国・習近平主席の姿

 今やアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国になった中国。しかし、今、中国に国際社会から厳しい目が向けられている。先月開かれたG7サミットの首脳宣言では、中国に新疆ウイグル自治区における人権や香港の自治を尊重するよう求められた。さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性も盛り込まれるなど、強く中国をけん制する内容になった。

 国際社会から孤立していく中国。習近平主席の野望はどこへ向かっているのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』では、専門家とともに議論を行った。

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 世界でいまだ新型コロナウイルスが猛威を振るう中、天安門広場に集まった党員や人民解放軍ら約7万人にマスクをしている人は見当たらない。講談社・特別編集委員でジャーナリストの近藤大介氏は「新型コロナ対策がうまくいっているのは事実」とした上で、中国の“常識”に言及する。

「外国から北京に入るには4週間の隔離が必要。だから、外国から来るウイルスは抑え込んでいるといった判断だ。しかし、映像をよく見てもらいたい。マスクをしていない広場に集まった7万人の中に習主席はいない。習主席がいるのは高さが34.7メートルある天安門の楼台の上だ。この上から演説を行っているから、仮に7万人の中にコロナ感染者がいても習主席には感染しない。日本の常識だと、人が集まることでクラスター感染の発生が懸念されるが、中国の常識は、習主席に感染させないことが第一に大事。34.7メートル上にいるので、下の人がかかってもあまり気にしない」

 2012年に就任し、現在2期目となる習主席。2018年に「2期10年で終わり」の期限を廃止した。来年秋には、党大会を控えているが「今後も自分がやる」といった意味も込められているのだろうか。

「もちろんだ。1時間5分の演説だったが、その中で『ずっと自分がやっていく』といった思いが、随所に表れている。来年秋に20回目の共産党大会が開かれる。本来であれば、そこで引退だが『引退なんてとんでもない』と思っているだろう。毛沢東氏は建国から死ぬまで27年主席をやった。同じように自分もやり続けると示したと思う」

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▲習近平国家主席(68)の歩み

 近藤氏の説明を聞いていたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者・ひろゆき氏は「習主席が『やり続けたい』と思うモチベーションはどこにあるのか」と質問。近藤氏は「もともと習主席は、18回目の党大会である2012年から就任したが、本命候補ではなかった」と語る。

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「江沢民一派と胡錦濤一派の2つの大きな派閥があって、ものすごい権力闘争があった。“漁夫の利”のように、外にいた習主席が乗っかった形。江沢民一派と胡錦濤一派、両方の派閥が強かったが、習主席は9年間でどんどん追い出していった。例えば、最初の5年で約153万7000人の幹部を失脚させている。かなり強引なやり方もやっていて、ものすごく恨みを買っている」

■ G7サミット“首脳宣言”のけん制にも対抗 習主席「我々を侮り、圧迫し、奴隷とすることは許さない」

 前述のG7サミットにおける首脳宣言のけん制にも習主席は「中国人民は絶対に、いかなる外来勢力も我々を侮り、圧迫し、奴隷とすることは許さない」と対抗。「無謀にもそれを目論むものは、14億の人民の血肉で築いた鋼鉄の長城に阻まれ、血を流すであろう」と話し、国民から喝采を浴びた。さらに、台湾に関しても「台湾問題の解決、祖国の完全な統一を実現することは、中国共産党が断固として取り組む歴史的任務で、中国国民の共通の願いでもある」と述べた。

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 なぜ、習主席は台湾統一にこだわるのだろうか。近藤氏は「台湾は一つの台湾島だけではなく、金門島や馬祖島、太平島など、いろいろな小さな島がある」と説明。習主席の目的について「別に台湾本島を取らなくても、小さな島を一つ、台湾から取れたら、これはすごいことになると思う。特に金門島は、1958年に毛沢東主席が取りそこねた場所だ。金門島を取ったら、毛沢東主席ができなかった偉業を成し遂げたことになる。中国で歴史に名が残ると思う」と見解を語った。

 習主席のターゲットになっている台湾。近藤氏は日本の領土である尖閣諸島にも、習主席が手を出す可能性は高いと指摘する。

「中国からすると尖閣諸島は台湾の一部。そもそも、台湾は日清戦争で取られた場所。その恨みは非常にある。尖閣諸島は無人だから最も取りやすい島の一つで、台湾と同時に尖閣諸島も取りにくると思う。日本が手を打つ“タイムリミット”は来年の北京オリンピックまでだろう」

ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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