4日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演したスポーツジャーナリストの二宮清純氏が、「今回はオリンピックはもちろん、パラリンピックはもっと大事し、本当の勝負はここにあると思う」として、オリンピックに比べ報道のボリュームも少ないパラリンピックの意義を訴えた。
4日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演したスポーツジャーナリストの二宮清純氏が、「今回はオリンピックはもちろん、パラリンピックはもっと大事し、本当の勝負はここにあると思う」として、オリンピックに比べ報道のボリュームも少ないパラリンピックの意義を訴えた。
「前回(1964年)の頃の日本の高齢化率は6%だったのが、今回は30%近くになっている。こういう高齢化社会とパラスポーツというのは親和性が高い。また、ちょうど高度成長期の中盤だった前回のコンセプトは“成長”だったが、今回は“成熟”だ。日本が成熟社会であることを世界にお見せするという点では、バリアフリー、ユニバーサルデザインがどのくらい実現できるのか、そういうところで日本の力量が問われてくる。
調べて驚いたたが、視覚障害者の3人に1人は駅のホームからの転落事故を経験している。そういうこともあってホームドアが増えてきたが、いずれ誰もが高齢者になり、身体の機能を喪っていくわけだ。小池さんも率先して“心のバリアフリー”と言っていたし、レガシー、レガシーと言うんだったら、今のうちにそういう準備をしていくべきだと思う。
しかしパラリンピックについては開催に関する議論からして少ない。先日、ある番組で与党の政治家とご一緒したが、“オリンピックはやるが、感染拡大したらパラリンピックは分からない”と仰っていた。それはどうなのかと思った。オリンピックをやる以上は、パラリンピックも絶対にセットでやるべきだ」。
さらに二宮氏は、「橋下さんもやっておられたラグビーでは、ベスト8になった日本代表が“ワンチーム”という標語を打ち出したが、例えば車いすバスケットには、“共生社会”の縮図があると思う。障害の重い選手は点は取れないけれど、車いすごとタックルして相手のシュートを阻む。そのようにして、障害の等級に応じ、みんなが協力してやるスポーツになっているからだ。誰にでも居場所がある、出番がある、役割がある。これを具現化していると思う。しかも代表チームのフォーメーションはものすごく精密で、AIまで導入している。
そこに関連して言えば、将来eスポーツにはものすごい可能性があると思う。“あんなものはスポーツじゃない”と言う人もいるかもしれないが、食わず嫌いでそんなことを言う時代じゃない。障害者にとっては自立支援にもなるし、健常者と戦えるというのは自信にも繋がる。そもそもスポーツの語源は遊び、楽しむということだ。オリンピックの競技になるかどうかは分からないが、eスポーツを通して垣根を取り払う、そういう将来への投資みたいなことも考えた方がいいと思う」と訴えた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)
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