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 芸歴10年以内のお笑い芸人を対象とし、今年で第41回目を迎える「ABCお笑いグランプリ」。かまいたちジャルジャル霜降り明星などの歴代優勝者達を輩出した本大会は、若手芸人の登竜門的存在となっている。

 今年は、7月11日(日)14時25分より決勝の様子を朝日放送テレビで生放送、ABEMAにて全国ライブ配信される。決勝進出を決めたのは、赤もみじ、オズワルド蛙亭、カベポスター、空気階段コットン、さすらいラビー、さや香、Gパンパンダ、ダブルヒガシ、チェリー大作戦、パンプキンポテトフライの12組。お笑いファンたちが注目する実力派、個性派が交わるバラエティ豊かなラインナップだ。

▶視聴ページ:オズワルド、空気階段ら12組が激突!「第42回ABCお笑いグランプリ」

 MCを務めるのは、南海キャンディーズの山里亮太。自身も2004年にABCお笑いグランプリにて優秀新人賞を受賞し、「この大会が大きな分岐点だった」と語る山里が、再び若手芸人の戦いの様子を視聴者に伝える。大会への意気込み、注目しているポイントなど話を聞いた。

破天荒コンビ「コウテイ」の涙・バチバチの空気…昨年の大会を振り返って

――昨年に引き続きMCに決定されましたが、今のお気持ちはいかがですか?

山里:また、あのとんでもない大会を一番近くで見る事が出来るなんて嬉しいです。2年連続で最高の観客席を用意していただいた感じです。

――昨年の大会で印象に残っていることを教えてください。

山里:空気がバチバチなんですよ。良い意味でギスギスしているというか。勝者敗者がハッキリ決まってしまう世界なので、「おめでとう!」ってお祝いの空気は無くて、1組の勝者以外は、もう来年の予選がはじまっているというか。

――結果が出た瞬間から、来年の予選に気持ちがむいているわけですね…!

山里:そうなんです。負けちゃった子たちが「たった今から来年にABCにむけてネタ作りはじめるから」って感じでお互いに牽制しあっていたり、「たくさんネタをやる為に、みんなでユニット組んでライブやろう!」とか、そんな話をしていて。負けたことに落ち込むのではなく、もう次へむかってスタートしているんだという事に感動しましたし、本年の大会でその1年の努力がどう実を結ぶのか、すごく楽しみにしています。

――昨年「コウテイ」が優勝して、号泣していた姿が印象的でした。ネタがとても破天荒で個性的なので意外性もあって。

山里:コウテイの2人はみんなの前で泣くとか、そういう事をしたくない子達だと思うんですけど、それを超越する感情があるんですよね。僕も隣で見ていて「涙流すんだ!」って驚きましたし、グッときちゃいました。

――それくらい、「ABCお笑いグランプリ」が芸人にとって大切な大会ということですよね。

山里:このコンテストに関わらせてもらう様になって、改めて思うのが、「ABCお笑いコンテスト」って、一番最初に「芸人として生きていって良いよ」という許可をもらえる大会なんですよね。初めて「職業:芸人」という免許を交付されるような、すごく特別な大会なんです。

誰が優勝してもおかしくない。その中で “当日に全部出せた人”が勝つ

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――今回のファイナリスト12組をご覧になっていかがですか?

山里:見た瞬間「とんでもない大会になるな」ということを確信しました。これは波乱ですよ。審査も大変だと思います。コント、漫才なんでもあり、お笑いの異種格闘戦ですよね。「とにかく面白いやつを決める」という。

――すでに様々な賞レース常連の方、メディアに出ている方から、新人の方まで、本当に個性豊かなメンバーが集まりました。

山里:超実力派揃いで、大ブレイクする寸前の、パワーを貯めている子たちばかりなんですよね。最後スターになるためのきっかけをこの大会が作るのではないかなと思います。誰がその鍵を手にするのか、その瞬間を近くで見れるのでワクワクしています。

――難しいとは思うのですが、どんな大会になると予想しますか?

山里:う~ん、難しいですね! すでに色々な情報が耳に入ってきています。「あのコンビ相当仕上がっているらしいよ」とか。今年のファイナリストはラストイヤー(※)が多いんですよね。それがどうドラマを生むのか…。ラストイヤーであったり、リベンジだったり…、全く予想つかないです!どこが優勝してもおかしくないです。

(※ABCお笑いグランプリはデビューから10年以内の芸人が対象)

賞レースって“当日の出来”が全てなので。もちろん全員が面白いのですが、当日に全部出せた人が優勝するのだと思います。

「ガチッ」と音が聞こえるくらい、笑いが世間にハマる時ってある

――当日の出来が全て。それが怖くもあり、面白い世界ですよね。山里さんも“本番の魔物”にとりつかれたご経験はありますか?

山里:もちろん山ほどあります。ウケると思っていた場所がウケなかった事で、そこでつまずいて本来の自分たちのネタが出来なかったというか。それで時間が余ってしまったり。それまでは「勝ちたい」という気持ちでいっぱいだったのに、手足震えるほどすべって、「ただただ、早くお客さんの目の前から消えてなくなりたい」って…。

――きっと芸人さんは誰しもが経験する怖さなのでしょうね…。

山里:いや~本当に怖いですよ。大会の調整のために、前日ライブで同じネタやった時は、ドッカンドッカン笑いがとれていたのに…とか。並びも大切なんですよね。個性的なネタの後に正統派の漫才は不利だったりもしますし。前のコンビが尋常じゃないくらいウケていたりすると、その笑いが会場にまだ残っていて、お客さんが次を見る準備が出来ていないまま自分たちの番が来てしまう。“残り笑い”にネタの「つかみ」が被ってしまうと、そのつかみがフリにもオチにも全くつながらなくて。

――運もすごく大切というか。

山里:めちゃくちゃ面白いやつが勝つというのは当然の事として、その運をもってる・もってないっていうのもありますね。「ガチッ」と音が聞こえるくらい、笑いが世間にハマる時ってあるんですが、その音が最初に奏でられるのがこのコンテストだと思います。音が大きすぎて、本人たちの耳がキーンとしているうちに時間が経っちゃう人もいるんですけど(笑)。

――今回もその「ガチッ」という音が聞けるのかと、とても楽しみにしております!

山里:僕が勝手に言うのもなんですが、めちゃくちゃ面白いメンバーが集まりました。このメンバーたちがただただ、笑い声を求めて全身全霊で、全力で自分たちのお笑いを見せてくれます。みなさんはただただ、笑って楽しんでください。ガンガンハードル上げますけど…絶対に絶対に面白いので見てください!

――今日は素敵なお話をどうもありがとうございました!

取材・文:中村梢

カーネクスト presents 第42回ABCお笑いグランプリ【決勝】

「”職業:芸人”という免許を交付されるような特別な大会」山里亮太が語る、ABCお笑いグランプリの面白さとは
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 配信日程: 7月11日(日) 午後2時25分~ (生放送)

配信チャンネル:ABEMA SPECIAL

配信URL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/Dxgq8EdH3KR79y

出演者

MC:山里亮太(南海キャンディーズ)

<決勝進出12組> ※五十音順

赤もみじ(マセキ芸能社)

オズワルド (吉本興業)

蛙亭(吉本興業)

カベポスター (吉本興業)

空気階段(吉本興業)

コットン(吉本興業)

さすらいラビー(太田プロダクション)

さや香(吉本興業)

Gパンパンダ(ワタナベエンターテインメント)

ダブルヒガシ(吉本興業)

チェリー大作戦(吉本興業)

パンプキンポテトフライ(ホリプロコム)

カーネクスト presents 第42回ABCお笑いグランプリ
カーネクスト presents 第42回ABCお笑いグランプリ
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