「はい、どうも!“日本系男子”のルイです。今日は私について話しますので、最後まで見てくれね!」。流暢で、どこかかわいい日本語で話すのは、YouTuberのルイくん(14)だ。
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住んでいるのは日本から1万3000km離れた西アフリカ・ベナン共和国。おじで前駐日大使も務めた、あのゾマホン氏に招かれ、5歳のときに旅行で来日したのを機に日本に関心を抱き、日本のアニメなどを通して日本語を独習した。好きなアニメ作品は『NARUTO』、好きな食べ物はうどんだという。「日本はめっちゃ良いところで、面白いところがめっちゃいっぱいある。優しい人も多い。食べ物もめっちゃ美味しいです」。
YouTubeを始めたのは、ベナンを拠点に活動するNPO法人『AYINA』の内藤獅友さんにゲストとして出演したのがスタートだ。「ベナンの人が日本の食事を食べたらどうなるか、という企画が人気コンテンツになっていて、その出演者の1人として出てもらったところ、僕よりも遥かに人気が出てきてしまった(笑)。ルイくんの方も、日本に行きたいという気持ちがどんどん強くなってきたので、じゃあこのチャンネルで有名になったらと、チャンネル名もコンテンツも変えてしまった」(内藤さん)。
こうして11歳で始めたYouTubeチャンネル『日本に行きたいルイくんの挑戦』。YouTube本体やTwitter上での再生数を合わせると100万回を超えるまでに成長した。今ではスマホで撮影、VLLOという動画アプリで編集もこなす。「テロップがちょっと大変。漢字とカタカナとひらがなのミックスがちょっと大変」(ルイくん)。
ベナンの公用語はフランス語だが、内藤さんとは英語、最近では語学力を磨くため、なるべく日本語で会話をするようにしているという。「ルイくんはコールオブデューティが好きで、フォートナイトはずっとやりたがっているが、まだデバイスがない。インターネットの環境も良くはなってきたが、以前はYouTubeも止まってしまうぐらいで、1年くらい前までは動画アップするのにも10時間ぐらいかかっていた」(内藤さん)
そんなYouTubeチャンネルを通じてベナンの情報を発信、いずれは日本のテレビ番組のゲスト、あるいは資金を貯めて留学生として訪日、そして日本のゲームやアニメの制作会社に就職するのが夢だ。
タレントで駐日ギニア大使館顧問のオスマン・サンコンは「僕は日本に来て50年になるが、それこそ“架け橋”になろうという思いだった。日本のすばらしいところは、義理と人情と恩返し。僕はそれをアフリカ人に教えている。アフリカには世界の地下資源の70%がある。やっぱり中国もどんどん入り込んでいるが、愛する、大好きな日本にも入ってきてもらって、技術を教えてほしいし、日本にないものをアフリカから持って行ってもらえたらと思う。
ルイくんのことはゾマホンと電話で話をしたが、非常にいいことだなって思っている。昔は電話するのに1日もかかった。だから顔をみて喋れるのがウソ!という感じがする。僕の甥っ子も日本に5人が来て日本の技術を学んで、家庭をもって母国のために頑張ってくれている。ルイくんのことも自分の孫みたいに思えて、ジーンときている。こういう子たちがたくさんアフリカから日本に来て、技術を学んでくれたらいいなって思う。最高だ」と絶賛。
ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「世界中に知られる人というのは、昔はセレブしかいなかった。でも今はインターネットがあるので、ありとあらゆる国の人が聞ける、見られるという面白い時代になっている。かつてはそれによって世界中が一色になっていくみたいなイメージを持っている人も多かったが、実はローカル文化の方が盛り上がるのではないかという指摘も出てきていて、ルイくんみたいな面白い少年がベナンにいるということを日本人が見つけてきて、みんなで見る。他の国の人たちも見るようになれば、それで“ルイくん文化圏”みたいなものが出来てくる。そういう、小さくてローカルな面白いものが世界中に山ほどあるのが、インターネットの面白さだし、グローバリゼーションの本質じゃないか。アフリカには中国が食い込んできていると言われているが、日本人ももっとアフリカと仲良くして、経済圏をちゃんと作っていくことが、日本の生き残り策としても大事だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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