「コロナ対策はリスクのバランスなのに、そのための中心点を政治が決めないまま来てしまった」橋下氏
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 ABEMANewsBAR橋下』に芸能界きっての“若き政治オタク”井上咲楽が出演。橋下氏に、コロナ禍における政治の役割について質問をぶつけた。

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 「コロナ禍で政治についてみんなが考える機会が増えたと思う」と話す井上。「折衷案では難しく、極端な案のほうが簡単なのではないかと思ってしまう。でも、極端な案では幸せではない人の数が増えてしまうし、幸せな人を増やすなら、折衷案の真ん中を目指すべきだとも思う。でもそうすると中途半端と感じてしまうわけで…」と、次のような疑問をを投げかけた。

 「コロナ禍で分断が進んでいます。感染拡大を抑えるために緊急事態宣言を出せば“経済が回らない”という声が上がり、宣言を解除して経済を回せば“感染者が止まらないから宣言を出せ”という声が上がります。この二つの声の真ん中を目指すのが政治なのだと思いますが、結局は中途半端になってしまい、結果として緊急事態宣言を繰り返すことになる現実。橋下さんなら“期限を決めて徹底的に我慢して感染を抑え、そのあとで経済を再開させよう”と決断できるかもしれない。しかしそれは強い痛みを伴う政策で“独裁”などと揶揄されるかもしれません。“決められない政治”と“独裁的に決められる政治”、どっちが正しいのでしょうか」。

 これに対し、橋下氏は「政治には大きく3つのことがあると思う」と説明する。

 「まず、今までやってきたことをそのまま、着実にやっていくこと。次に、今までやってきたことを変える、“改革”とよばれること。そして、色々な利益がある中で、シーソーのバランスをとること。コロナの問題は、いわば緊急事態宣言の発出と解除の繰り返しの中でバランスを取るという話だ。国民も、まずそこを理解しないといけないと思う。

 そしてバランスを取る上で最も重要なのが、中心点をどこに持っていくか、そこを先に決めなければいけないということだ。しかし日本の政治はこの1年半、そこを決めてこなかったから激しくフラフラしてしまう。例えば“ゼロコロナ”を目指すという目標を掲げれば、みんなはワーっと歓迎するかもしれないが、相当長い期間、店などは閉めてもわらなければならなくなる。一定程度のリスクを許容するのなら、医療体制を強化して、お店を継続していくほうにバランスをとる。

 僕は去年の3月の段階で“世の中にはたくさんリスクがあるんだから、コロナについても一定のリスクは許容しなければいけないだろう”と言って批判されたが、やっぱり“ゼロは目指しません。これくらいのリスク、一定の重症者数、一定の死者数は受け入れなければいけないんじゃないか”と国民に言うと思う。批判や違う意見も出てくるだろうし、“人の命をなんだと思っているんだ”とものすごく批判を浴びるかも知れないが。とにかく絶対的な正解は分からない中で、“ここを目指す”と決めるのが政治だと思う。そこからバランスの話になるのに、目標のところが抜けているから、みんな言っていることがバラバラだ」。

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 井上は「確かにゴールが見えないなと思う。結局、何が何人になったら解除できるから、そこに向かってみんな頑張ろうという、方向性が見えない。だから今どうなってるんだっけ?ステージ何くらい?みたいに曖昧になっている」とコメント。

 橋下氏は「目指す目標は専門家では決められない。本当は政治が目標を決めて、専門家がその達成のためには何をすればいいのかを考えてくれるわけだ。コロナについても、世の中にはいろいろなリスクがある中で、ある程度の重症者数や死者数を受け入れる社会にしていくのか、それともゼロコロナにしていくのか、それがない段階で店を止める・止めないという話を続けている」と指摘していた。ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

橋下徹×井上咲楽 秋までに選挙...若者政治マニアとトーク
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橋下徹×猪瀬直樹
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橋下徹×二宮清純
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