「今夜は無礼講だ!」。そんな言葉とアルコールの覚醒。正義を振りかざしたことで生み出される悲劇。小出恵介主演のABEMAオリジナルドラマ『酒癖50』の第3話では、無礼講という名のもと、嫌われている上司に酔った勢いでもの申し、周囲の社員から感謝され自信をつけてしまう男のアルコール破滅道を描く。
「総務部!なにやってんだよ!」。社員からのクレームの数々に追われる総務部・口山(犬飼貴丈)の鬱憤は爆発寸前だった。しかも口山は気弱でお酒も飲めない体質。ゆえにストレスを外に発散することができず、もっぱらスマホに趣味のラップで愚痴を綴る事しかできなかった。ホームであるはずの総務部内でもえこひいき系上司とパワハラ系上司に悩まされ、ストレスはたまるばかりだった。
そんな総務部内で飲み会が開催される。楽しそうなのは上司ばかりで、口山ら部下にとっては地獄の宴である。酒が飲めない口山は上司から「つまらない!」「何のために会社にいるんだ!?」と罵倒され、煽られる形で飲めないはずのビールを飲み干してしまう。そして聞こえてくる上司からの「今夜は無礼講だ!」との宣言。すると映画『エクソシスト』で悪魔に憑依されたあどけない少女リーガンのように、口山の体全身がガタガタと震えだす。アルコールによって口山が覚醒した。
ビール瓶をマイク代わりに、えこひいき系上司・大蔵を『8 Mile』のエミネムばりにディスりのラップで口撃する口山。あまりに的を射ている口撃に大蔵はグウの音も出ず、同僚たちも大盛り上がり。口山のディスリをきっかけに、なんと大蔵が心を入れ替えるようになる。その無礼講口撃は瞬く間に社内中に広がり、口山は各部署の無礼講飲み会に引っ張りダコに。周りからもてはやされ、次々と嫌われ者上司を口撃していく口山。鬱屈を溜めいていた弱気時代がウソのように自信に満ち溢れていく。
そんな無礼講飲み会の日々を送る口山のもとに、酒野(小出)が行うHate Alcoholプログラムへの参加要請が下る。酒野から酒の力で人を攻撃することの危険性を説かれるが、自分のやっていることは“世直し”や“正義”であると盲信する口山は聞く耳を持たず、再び開催される総務部の飲み会へと参加する。
今回の口山の口撃ターゲットは、美人にだけは優しいパワハラ上司・北沢部長(般若)だ。しかも北沢にはキックバック疑惑が噂されている。北沢部長の「今夜は無礼講だ!」との合図をきっかけに口山はビールを煽るように飲み干し、無礼講ラップを始めようとする。酒野から危険性を説かれた口山は「俺は強要もしないし、酒乱でもない!」と酒癖ワースト50のメンバーに入るわけがないと言い放つのだが、その結末はいかに!?