「介護の仕事は人の心を無くしていく仕事」現役介護士が胸中を吐露
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 31日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、人の心も失ってしまいかねない介護業界の実態が明らかになった。

 番組では『誰も書かなかった介護現場の実態 現役介護士が直面する現代社会の闇』(彩図社)の著者・宇多川ちひろ氏と、介護ボランティアに従事した経験を持つザブングル加藤をゲストに招き、介護現場の「負の一面」についてトークを展開していった。

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 竹山が「介護士としての苦悩」とは何かと問いかけると、宇多川氏は1枚のフリップを用意。そこには「介護の仕事は人の心を無くしていく仕事だ。何年も介護の仕事を続けている私は人としての感情が気付かないうちに壊れてしまっていると感じる。何が正常で、何が間違っているか、もう自分ではわからない」といった、胸中を吐露する文章が綴られていた。

 「ベテランになるとこういう心境になってくる?」と竹山が尋ねると、宇多川氏は「他の方がみんなこうかどうかはわからない」と前置きして、「自分が介護士という職業を名乗っていいものなのか? 人の人生に作用し続けていいものなのか? でも私たちがやらなければ困る人がいて、そういう困っている方や利用者さんたちは私たちが行かないとご飯も食べられないしトイレにも行けない」と、葛藤があることを訴えた。

「介護の仕事は人の心を無くしていく仕事」現役介護士が胸中を吐露
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 竹山が「歯車が狂いだしている」と、介護が必要な人たちが増えている状況にも関わらず、なり手がいない状況を憂うと、宇多川氏は「介護士としてそういった問題を本当の意味で世に提起していくということが必要なんじゃないのか。それを知っている介護士があまりにも、自分たちだけのものにしすぎているのではないか? と私は思っている」と語った。

 加藤は見解を問われると「本当に難しい話」と表情を曇らせて、民間で介護施設を開業した人物のケースを紹介。「利用者の方のために」と思って始めたものの、個々の利用者に1人1人丁寧に接していくと経営としては成り立たないという話を聞いたという。

 「やっぱりある程度流れ作業じゃないですけど、そういう風にやっていかないと人手も足らなくなる」と、経営のための判断も必要だとして「どうしてもそこは自分の正義感との戦いだとは言っていました」とコメントすると、竹山は「そうですね……」と言うことしかできなかった。

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