6月にYouTubeで避妊リングを装着したことを報告した益若つばさ。その経緯を赤裸々に語り、再生回数は100万回を超え大きな話題となった。避妊リングは生理痛の軽減などの効果が期待されており、益若も「不安定な生理の負担を減らしたい」という思いで装着したという。
【映像】“益若流”性教育とは?「避妊リング入れた」発信の真意
益若には中学生の息子がいるが、7月に投稿した別の動画では、人気YouTuberのそわんわんと生理の話についてトーク。2人は、当時は知識が不足し、心身の変調に悩まされながらも大人に相談することが恥ずかしかった過去の体験を語った。
YouTubeの反響について益若は、「避妊リングのミレーナの話は、女性はまったく知らなかったという方もたくさんいたし、これをきっかけに病院に行った方がけっこういるみたいだ。これをきっかけに入れた方も多かったり、知れてよかったと(視聴者が)思っている。しかし私は、『これはいいから入れたほうがいい』とは思っていなくて、あくまで選択肢の1つであると伝えたかった。自分でもっと詳しく調べて、相談して入れたという声はすごくうれしかった。逆に一部には心ないことを言う男性もいて、『性に奔放なのではないか』とか『ゴムしなくていいってことでしょ』とか。そういうことを話したいのではなかったが、今の時代は、情報をすごく発信しやすい環境にはなっている。こういう動画は定期的にやるべきではないかと思っている」と話す。
そもそも避妊リングとは、避妊目的で子宮の中に入れる器具として誕生したもの。その後、黄体ホルモンを少しずつ放出することで月経過多などの改善が期待できる製品も開発される。取り扱いは産婦人科で、事前に検査を行う。
避妊リングに期待できる効果について、埼玉医科大学病院助教で産婦人科医の高橋幸子氏は、「親指の先くらいの道具を子宮の中に入れることで、受精卵が来た時に着床を阻害する。益若さんのミレーナという製品はホルモンがついていて、子宮内膜を厚く育てない。ふかふかのベッドにしないで、ペラペラの布団にするので、生理の出血量が減ったり着床しにくくなる。避妊にもなるし、生理痛の緩和にもなるし、生理の出血量が多い人の治療にもなる」と説明。
一方で、生理不順の改善にはならないといい、「生理不順の改善をしたい時には低用量ピルという、いつ次の生理が来るかがしっかりわかるものを使ったほうがいい。生理不順を治療するものではなく、過多月経、生理の出血量が多いものの治療に使う」とした。
益若は「不安定な生理の負担を減らしたい」という目的で避妊リングを入れたが、そこにはいろいろな考えや葛藤があったという。
「もともと生理不順があったのでピルを飲んでいた。ピルは定期的に28日周期とかでしっかり来る分、毎日同じ時間に飲まなければいけない。それから、私の場合は太りやすく、だんだん丸くなってきてしまう。いいこともあればデメリットもあるといった時に、避妊リングがあると教えてもらった。生理過多にもいいし、ちゃんと避妊もできるということで、すごく興味があった。
2年くらい悩んで、これはひとつのきっかけだと思って相談して、実際に入れてみた。入れてすぐ、その時の気持ちをそのまま撮りたいと思って、動画を撮っている間も痛かった。正直、入れないほうがよかったのかなと後悔した。
私の場合は恥ずかしくて、先生に生理過多と言えなかった。とりあえずIUS(ミレーナ・子宮内避妊システム)を入れられればいいと思ったので。『ホルモンが出るほうでいいですね?』『それでお願いします』『ホルモンが出ないほうもありますけど?』『ホルモンが出るほうでお願いします』とだけ言って。『保険のほうでなくていいのか』と聞かれて、『保険のほう』という意味がわからなかった。保険でなくていい、入れられれば大丈夫という形で入れたが、保険のほうでないと値段がめちゃくちゃ高かった。
保険で入れると1、2万円くらいだが、保険でないと8万円くらいする。しっかりお話ししていたら、きっと保険適用内だった。恥ずかしくて言えなかったことを後悔している。同じ(もの)だからいいと思ったが、値段がこんなに違うことを知らなかった。
自分の生理過多のレベルがわからなかった。もっときつい人がいるかもしれない、自分が生理過多と言うのはおこがましいと思って、言えなかったことを後悔している。これから相談する方は、お腹が痛いとか、生理過多だと寝具が汚れたりとか、普段白い洋服が着れないとか結構あるが、小さいことでも相談することは大切」
こう語った上で、益若は「生理の負担を軽くしたいとか、望んでいない時期の妊娠をしないためとか、どちらでもいいと思う。自分の体を守ることだから、どんな選択肢があろうが自分の意思で入れるものを周りが否定してはいけない。やはり“避妊”というワードにみんな敏感で、特に男性は避妊をするということ=性に奔放なんだというほうにつながってしまう。女性とそういう話をしても、誰一人そんな話にならない。『良かったね。生理が楽になったね』と言うけど、男性だけ『性に奔放だ。遊べていいね』というふうになる。理解に差があって、学校での性教育の差も出てきているのかなと思う」と話した。
生理の負担を軽くすることが目的であれば、「避妊リング」というワードは強すぎるのではないか。これから利用する人がみな「私は性に奔放ではない」と言わなければならないのだろうか。
高橋氏は「私たちは普段、避妊リングとは呼んでいない。子宮内リングとか、1種類しかないのでミレーナという商品名で呼んでいる。ただ、ミレーナという名前を聞いても子宮内避妊具のことだと伝わらない。それがわかるいい言葉が出てくるといいなと思う。それから、ミレーナを避妊のために入れていて何が悪いのかというのは、低用量ピルでもいまだにまったく同じ議論が続いている。低用量ピルも月経困難症、生理痛の改善に使えるが、もちろん避妊にもなる。避妊目的で何が悪いんだと、ピルも、ミレーナもどちらも同じだと両方伝えていきたい」と訴えた。
(『ABEMA Prime』より)
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