7日のABEMA『NewsBAR橋下』に、お笑いジャーナリストで時事YouTuberのたかまつななが生出演。コロナ禍を踏まえ、“理想のリーダー”とはどんな人物なのか、橋下氏に質問を投げかけた。
すると橋下氏は「政治家だってスーパーマンではないし、すべての物事を知っているわけではない。総理でも、知事でも正解が分からない中でも決断をしなければいけない。だから賛成論や反対論も含め、いろいろな意見を聞いて、最後に腑に落ちたことに決定し、号令をかけるのがリーダーなのかな。今の菅総理に欠けているのは、例えば尾身さんの意見と、それとは違う僕のような意見を公開の場で戦わせ、それをじっと聞いて、最後に決断を下すというプロセスだと思う」と回答。
たかまつは「おっしゃる通りだと思うし、私はそういう人に内閣総理大臣になってほしいと思う。しかし有識者会議の実態は、政府の意見に対して“そうですね”と言ってしまうような“御用学者”などで固められていたりすることもあると思う。加えて、決断すれば必ず自分に批判が飛んでくる。そういうことが分かった上でできる人はいるのだろうか」。
たかまつは「おっしゃる通りだと思うし、私はそういう人に内閣総理大臣になってほしいと思う。しかし有識者会議の実態は、政府の意見に対して“そうですね”と言ってしまうような“御用学者”などで固められていたりすることもあると思う。加えて、決断すれば必ず自分に批判が飛んでくる。そういうことが分かった上でできる人はいるのだろうか」。
これに橋下氏は「どうやっても文句は言われる。コロナ対策で言えば、飲食店の営業を止めれば飲食店側から文句を出るし、営業を止めなければ多くの国民から“何もやらないのか”と言われる。あるいは僕みたいに“もっと開業医に負担をさせるべきではないか”と言えば、医師会から文句が来る。それでも政治家は決断しなければいけない。一方で、民主国家の政治というものは国民の状況を反映するものだから、政治家が決断できないのには、ある意味で国民のありようも影響していると思う。つまり100%正しい解はないということを国民も分かった上で政治家を批判しないと、政治家は決断ができない」と説明。
「その点では、弁護士として裁判の実務を経験してきた僕や吉村さんは大阪府知事、大阪市長として裁判の手法を取り入れた。つまり正解が分かっているもの、多くの人は支持するだろうと思ったものに関してはバーンと突き進んでいくが、これは悩む、というものに関しては、いろんな意見の人、役人から専門家から、自分の前に来てもらって、フルオープンで激論してもらい、それをじっと聞くようにしていた。そして最後に結論を出す。
これはちょっとスピリチュアルだが、実は議論が激しくなればなるほど、最後はスッと“こっちかな”とか“こうだな”というのが腹に落ちる瞬間がある。竹中平蔵さんにその話をしたら、小泉純一郎さんも同じだったと言う。竹中さんが経済財政諮問会議に入って、どちらかというと改革派の立場から役人と激論になる。その間、小泉首相はずっと目をつぶっている。竹中さんは“小泉さん、寝ているのかな”と思っていたそうだが、ある程度のところになると小泉さんは目を開けて“こっちでいこう”と。それで会議終了。
その時に重要なのは、会議のメンバーの選定だ。難しいが、議論するのに明らかに力量に差があるようなメンバーではなく、なるべく互角のメンバーを集める。僕は弁護士として企業の経営に携わっているが、伸びている企業はみなそのやり方をしている。最高経営会議に、一線級、しかもトップや会社の考え方とは真逆のメンバーも入れて、考え方が違ってもいいから、堂々と議論してくれと言って、激論を戦わせる。そして決まったことには従う。
大阪府庁、大阪市役所でも、それが鉄則だった。決まったことにはみんな従う。その代わり、決まるまでは、僕とは反対の意見や考えもどんどんぶつけてもらって、激論してもらうと。しかし今の政府も含め、いろいろな役所の姿を見ていると、そういう激論が見えてこない。たかまつさんが不満を抱いているのも、そういう理由があるのではないか」。
橋下氏の指摘に、たかまつは「まったく見えない」と同意していた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)