6日、国内の累計感染者が100万人を超えた。全国的に深刻な感染拡大が続く中、出産の現場はどのようになっているのだろうか。
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ニュース番組『ABEMA Prime』に出演したりんくう総合医療センター産婦人科副医長の山下紗弥氏は「一般的には、妊婦さんは自粛されているので、感染のリスクとしては人数的な比率は低い」と話す。
「だが、中には重症化する患者もいる。妊婦さんが(新型コロナに)なる人の波も、完全に第4波、第5波の通り増えてきている。実感としては、出産数自体も自粛の関係で減ってきているように思う」(山下氏・以下同)
もし臨月の妊婦が新型コロナに感染した場合、どのように出産するのだろうか。
「日本産科婦人科学会の調査で、36週を過ぎたお産が近い時期の妊婦さんが(新型コロナに)かかると、陣痛が来る前に人工早産させたり、帝王切開で出産させたりといったケースが増えている。理由は、医療従事者への感染リスクを減らすためだ。適用があやふやで、必ずしも帝王切開と決まっているわけではない」
妊婦で事前にワクチンを打って出産する人はどれくらいいるのだろうか。山下氏は「ちゃんとワクチンを打っている妊婦さんはまだ少ない。特に2回目の接種が終わって2週間経っている方は医療従事者など、かなり初期から接種されている人だ」といい、「(ワクチンを接種するかどうか)聞いていただければ、たいてい勧めているが、ご自身で調べていない方は『妊娠中はワクチンを打ってはいけない』と思って控えている」と明かす。
「まず、うちの病院では職員が最初に(接種を)受けた。妊婦さんもほとんどワクチンを接種している。その上で、外来に来た方には現状をお伝えして、受けるメリットがデメリットを上回ること、赤ちゃんにも免疫ができる効果があるので、ぜひ受けていただきたいと話している」
気になるのが接種のタイミングだ。山下氏によると、日本産科婦人科学会では、妊娠の初期の器官形成期と呼ばれる時期は「それほど接種を勧めていない」と話す。しかし、その時期に打ったからと言って「赤ちゃんに異常が出ることはない」という。
「妊娠していることに気づかずに打ってしまっても赤ちゃんに異常が出ることはない。妊娠初期の時期も含め、できるだけワクチンを妊婦さんに打っていただく。少なくとも家族の方は積極的に打っていただきたい」
妊婦がワクチン接種を行った場合、副反応など一般の人と体調の変化に違いはあるのだろうか。
「妊婦さんでも妊婦さんでなくても、頭痛や微熱といった副反応は同じだ。特に妊婦さんだからといってワクチン後に症状が酷くなる傾向は現状ない。私たちの病院では(ワクチン接種を)受ける方には事前にカロナールを出しているし、市販の痛み止めを服用しても構わない。妊娠の後半期に(新型コロナに)かかって重症化したり、お産の方法であったり、母児の分離という不満の残るお産をするくらいならば、妊娠の早い段階でワクチンを接種して免疫をつけていただいたほうがいい」 (『ABEMA Prime』より)
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