今月8日に放送された『サンデーモーニング』で飛び出した、「喝!」でおなじみの野球評論家・張本勲氏による発言が波紋を呼んでいる。張本氏は東京オリンピックのボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手について、「女性でも殴り合いが好きなんだ」「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴りあって」などと発言。これに対し、日本ボクシング連盟が10日、会長名で抗議文を送付している。
歯に衣着せぬ発言で人気だった張本氏だが、共演者が何らかの指摘や訂正をすればよかったとの意見もある。
11日の『ABEMA Prime』に出演したEXITの兼近大樹は「おじいちゃんだな、まただなってって思いました。僕はボクシングが好きだし、ここまで頑張ってきた入江選手の姿を見て泣きそうになったこともあったんで、軽視した発言だなって思いました。でも、僕が説明したところで、それこそ“喝だ!”で終わりそうだなとも思うし、この世代の方々からしたら当たり前のことで、僕にできることは下の世代に“これは間違ってるんだよ”って教えていくことしかできないのかなって…」とコメント。
また、ライターの速水健朗氏が「女性とスポーツへの偏見だと思うが、言い返した瞬間に高齢者への偏見というのが出てしまう可能性がある。皮肉を込めたお笑いを使うというのも手法だろうが、やはりその場で正しく切り返すのはとても難しいことだと思う。正論でズバッと言った時に、それで番組が盛り上がらなかったら…と思ってしまうのではないか」と話すと、フリーアナウンサーの柴田阿弥も「“出演者が訂正しなよ”とか、“女の人もいたじゃないか”とかいう意見もあるが、こういう番組に出演していて、“論破されるかも?“と思いながら発言するのはすごくしんどい。スタジオで自分一人だけ違う意見を言わなければならないという時もあるが、“何言ってんの?”という空気とか、“叩かれるのかな…”と思いながら喋るのは、本当に勇気がいること」。
さらに柴田は「いじめやハラスメントを見て見ぬふりをしたことがない人っていないと思う。学校や会社で強い人や偉い人が明らかに良くないことを言っているのを“良くないですよ”と断罪できずにスルーする、それどころか迎合してしまった、そういう人を私も見たことがある。そういう同調圧力の強さがあることを知りながら“訂正しない人は責められない”とか“そんなの言い返せばいいじゃないか”と本当に言えるのだろうか。今回の発言についてはセクハラでもあるし、身近な人が指摘できると一番良いと思うが…」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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