小出恵介と小池徹平による、ABEMAオリジナルの連続ドラマ『酒癖50』最終回でのエモーショナルなセリフの掛け合いと熱演の応酬が凄まじい。二人が共演するのは、人気テレビドラマ『ごくせん(第2シリーズ)』以来約16年ぶり。小出に対する小池からのエールともとれるような激アツなセリフの数々に「自分とのリンクも感じて、まるで徹平本人から直接言われているかのような錯覚に陥りました。ジワッと胸に迫るものがあった」と小出も素直に打ち明けている。お互いを「同級生」と表す二人だからこそ生まれた最終回の名場面&名演技を振り返りたい。
【動画】小出恵介、小池徹平との芝居で見せた苦悶の表情と新境地 『酒癖50』最終回
当該シーンは、地位も名誉も失った酒野(小出)が、余命いくばくもない親友・武山(小池)と病室で念願の再会を果たす場面。武山から「俺はお前のことなんか恨んだことはない」と初めて真相を聞かされた酒野は、自らの罪と浅はかさを痛感し、謝罪の言葉を口にする。
すると武山は酸素マスクの下で柔和な表情を浮かべて「お前に対する感謝の方がめちゃくちゃでかい」などとありのままの酒野を受け止め「いろんなものを失ったのか?」と問いかける。涙・鼻水のコンボで号泣する酒野が「あぁ。なくなった。なんにもなくなった」と認めると「あとは見つけるだけだろ?ワクワクすんじゃん」とエール。武山は「お前の夢が断たれたのは俺だって悲しい。だからこれ以上悲しませんな。天国にいる俺をワクワクさせろ!」と酒野を抱きしめる。その大きな胸の中で慟哭する酒野に、武山は囁くようにこう伝える。「もうごめんはやめよう」と。
菩薩のような小池の慈愛のこもった瞳で見つめられた小出は、シーン冒頭から感極まっている様子。充血した両目には涙を溜め、両頬と唇は涙腺をなんとか押し止めようとピクピクと小刻みに震えている。しかしベッドから見上げる形でエールの言葉を投げかける小池の姿と言葉に、小出の涙腺は崩壊し鼻水も大放流。そんな小出の表情を、カメラは長回しでじっくりと捉える。これまで好青年や明るい役柄を与えられることの多かった小出の苦悶の表情。キャラクターの心情以上の反応を見せ、新たな境地を迎えたのは、やはり相手が「同級生」である小池だったからだろう。
16年の間に共演はせずとも、同じ“俳優”という土俵で切磋琢磨してきた二人。その間に小出はNY武者修行を通して自分自身を見つめ直し、一方の小池は一児のパパとなった。それぞれの歩みと成長と関係性がぶつかり合った結果生まれた奇跡的瞬間。ファンならずとも見逃し厳禁の語り継がれるべき最終回といえよう。