8月21日、俳優の鈴木亮平が都内で行われた映画『孤狼の血 LEVEL2』の公開記念舞台挨拶に松坂桃李西野七瀬音尾琢真、中村梅雀、小栗基裕、白石和彌監督らと共に参加した。

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 鈴木は今回、“日本映画史上最凶の悪役”の誕生を予感させる、上林組組長・上林成浩を熱演。これまでに類を見ない、悪役を演じる上での難しさについて質問が及ぶと鈴木は、「確かに悪役ではあるんですけど、それ以前に我々の仕事は人間を演じること。だから1人の人間としてこの強烈なキャラクターをどんな風に作り上げていこうかなと考えました。そして、ちょうど役に入り込んでいけるかな、という時に初めての緊急事態宣言が発令されて。それと同時に決まっていた他の仕事も全部なくなり、机の上に唯一ポツンと残ったのがこの『孤狼の血 LEVEL2』の台本だったんです。だからそこから半年間、僕には上林の役しかなかった。それでずっと上林のことを考えて、彼についてリサーチをするんですが、『なんでこの人、こういうことをするんだろう?』って思うんですね。だから(考えを変えて)上林からの世界を見てみようと思って」と、役作りで壁にぶち当たった当時の状況を回顧。続けて鈴木は「そうやって(上林視点で)考えると、今までと全然違う世界が見えてきたんです。それこそ正義と悪が入れ替わるというか、周りは外道で自分だけが唯一真面目に生きているーー。そんな上林の人物像が出来上がってきた時に、自分もこの役を生きられると感じました。そして、お客さんにも上林としての考えに迷いがないほうが、映画を観た時に戦慄してもらえるんじゃないのかなと」と振り返った。

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 全身全霊で役に挑む鈴木を側で見ていた白石監督は、「脚本を作っている時から上林は難役になると感じていたし、同時に誰に演じてもらうのが良いのかを考えていました。だけど亮平くんだったらきっとこの難しい役も作ってくれるだろう、という安心感があって。だから上林が出てきた時は『なるほど!』という納得感しかなかったです」とニッコリ。「自分が想像していた人(上林)がまさにこの人(鈴木)だったんだなって。本当に鈴木亮平さんにお願いして良かったです」と、今回のキャスティングに大満足の様子だった。

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文:近藤加奈子

写真:野原誠治

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