「魔法少女」といえば、古くは『魔法使いサリー』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『魔法の天使クリィミーマミ』など、女児向けの作品が数多く作られました。時代を下るにつれ、「魔法」要素を薄め「変身」「バトル」をフィーチャーした『美少女戦士セーラームーン』『ふたりはプリキュア』の系譜へとつながったジャンルと言えます。
さらには、オマージュとしての「魔法少女」作品も制作されるようになります。こちらはより高年齢向けに制作されたアニメのスピンオフという形が多く、一例としては『魔法少女プリティサミー』(『天地無用!』シリーズのスピンオフ)、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』(『Fate/stay night』の平行世界という設定)が挙げられます。
ほかにも、独自の世界観で「魔法少女」「魔女」を定義した『魔法少女まどか☆マギカ』など、今なお広がりを見せる「魔法少女」アニメ。この記事では、魔法少女/魔女が主人公として活躍するアニメをピックアップしてご紹介します。
■マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝
(C)Magica Quartet/Aniplex・Magia Record Anime Partners
冒頭で挙げた『まどマギ』の外伝で、同名のスマホゲームが原作となっています。7月からは『2nd SEASON -覚醒前夜-』が放送中です。
<作品概要>
願いの成就とひきかえに、人知れず戦い続ける魔法少女たち。 しかし環いろはは、自分の願いを忘れてしまっていた。 『魔法少女になった時、私は何を願ったんだっけ?』 日常の中にぽっかりと空いた穴。 失われてしまった大切ななにか。 理由もわからないまま、戦いつづける毎日……。 そんなとき、魔法少女たちの間で噂が流れはじめる。 『神浜に行けば、魔法少女は救われる』 魔法少女とウワサの集まる街、神浜市。 失われた願いを求める、環いろはの物語がはじまる――。
■おジャ魔女どれみ
1999年から2000年にかけて第1期が放送された、東映アニメーションによるオリジナルアニメです。その後TVアニメが4期まで制作されるなど、長期にわたり人気を博しました。
<作品概要>
「結局好きな先輩に告白できなかった……魔法が使えれば……」しょげかえったどれみがとぼとぼと知らず知らずの内に足を向けたのは、「マキハタヤマリカの魔法堂」という変わったお店。そこでどれみは、いかにも魔女、というような格好をしているその店の女主人マジョリカの正体を「もしかして……魔女?」と見破ってしまう。
するとなんと、マジョリカは奇妙な魔女ガエルの姿になってしまった。魔女ガエルになってしまったマジョリカは、どれみに責任を取ってお前も魔女になれとせまる。魔女ガエルになった魔法使いは、正体を見破った者の魔法でしか元の姿に戻れないのだ。
ひょんなことから魔女見習いになった3人の少女、どれみ、はづき、あいこ。学校と「MAHO堂」というお店を舞台に、3人が一人前の魔女になるためのマジカルでミラクルな修行の毎日が続く。
■スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
(C)森田季節・SBクリエイティブ/高原の魔女の家
2021年4月より放送された、森田季節氏によるライトノベルを原作とするアニメ。主人公のアズサは不老不死の魔女で、300年を経て最強の存在となりました。いわゆる異世界転生ものですが、アズサと彼女に関わる人物たちとの、まったりしたスローライフの描写が作品のメインとなっています。
<作品概要>
ごく普通のOL・相沢梓は働き過ぎが原因で過労死し、不老不死の魔女アズサとして異世界に転生した。前世での反省から、辺境の高原でのんびりスローライフを始めた彼女。スライムを倒して小銭を稼ぎ、魔女らしく薬を作って麓の村のお世話をする。あとはとくに何もしない。そんな暮らしを続けるうち彼女は 「高原の魔女さま」と親しまれるようになっていた――。ところが300年後。スライムを倒し続けた経験値で、いつの間にやらレベル99=世界最強となってしまっていたアズサ。その噂は広まり、腕に自信のある冒険者はもちろん、決闘を挑んでくるドラゴン娘や、アズサを母と呼ぶ謎のモンスター娘まで押し掛けて来るようになってしまい――!?
■魔女の旅々
白石定規氏による小説を原作とするアニメ。2020年10月より放送されました。主人公のイレイナは若くして「魔女」となった天才で、彼女が世界各地を旅するさまが描かれています。
<作品概要>
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、 流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけの――「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」。そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語……。
■番外:幼女戦記
(C)カルロ・ゼン・KADOKAWA刊/幼女戦記2製作委員会
「魔法(を使って戦争する)少女(に転生した30代男性)」ですが、ピックアップしました。カルロ・ゼン氏の小説が原作で、第1期が2017年に放送されたのち2019年に劇場版が公開、第2期の制作も発表されているアニメです。魔術が軍事戦力に使用され、魔導師が兵科とされている独特な世界観のもと、骨太なストーリーが展開されます。
<作品概要>
統一暦1923年6月。金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は何事もなく無事に終わるはずだった。しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、協商連合軍による奇襲が発生し、ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。