東京都が若い世代のワクチン接種を加速させるため、接種券と身分証があれば予約なしで受けられる接種会場の運用をスタートさせた。しかし先着順ということもあって渋谷の会場には早朝から大行列ができて会場前は一時混乱。28日からは抽選となったが、混乱が続いていると報じられている。
28日のABEMA『NewsBAR橋下』に出演した古市憲寿氏は「都内在住または東京に通学するなどの16歳から39歳までということは、対象者は400万人になる。そのうち、仮に99%が打たないとしても、残り1%が打とうとすれば、それだけで4万人だ。それなのに1日200件というのはどう考えてもおかしいし、10秒の計算で分かる。しかも事前に“若者向け接種を始める”と大々的にはじめている。30度を超えるような真夏の炎天下だし、さすがにバカすぎる、東京都の人は算数ができないのかな?と思ってビックリした」と苦笑。
「本当は小池さんがやろうとしたであろう、“打っていない人がフラッと立ち寄ってパッと打てるような環境”を街中に整えることが先だったと思う。ただ、9月、10月ぐらいになれば順番が回ってきて誰でも打てるようになると思うし、他の国を見ていると、それでも打たない人が数割は出てくるはず。そこにどう打ってもらうかが問題で、都は広報に何億円もかけるくらいなら、週に1回、打った人に抽選で1億円が当たるというようなことをした方がいい」。
これに対し、橋下徹氏は「若者に接種しなければいけないということで、小池さんがパッと政治的に思いついたんだと思う。僕もテレビ番組で“繁華街に特設会場を作って、接種券なしでどんどん打っていくやり方もあるんじゃないか”と言ってきたから、同じような感覚だったのだと思う」と推測。
「役人が考えないような思いつきを出すのも政治家の役割だし、接種券抜き、予約抜きで打たせるというアイデアはいいと思う。ただ、それをしっかり実施させるためには、必ず行政マンに“ちゃんと揉んでね”と、制度づくりを議論させなければいけない。そこが抜けたまま、都の職員が“小池さんが言ったからやらなければいけない”と走っちゃったんだと思う。これは菅政権にも言えるところだ。偉そうに言っているけど、これは僕もすごく悩んだし、難しい。失敗も経験した。政治家がやりたい政策を指示しても、それをするためにはいろんな課題があることが、政治家は見えてない。“一度ちゃんと検討してね”と言えば役人はその方向に向かうし、課題も挙げてくる。そして“じゃあこれはこういうふうにやろう”と議論して、ひとつマイルドになった制度ができ上がる。日本の政治はそこが弱いかなと思う」。
「いつも言っていることだが、先に目標があって、その達成のための手段を選ぶという段取りが全くない。感染者数を抑えたいという衝動は分かるし、若者が感染を広げるのを抑えたいという衝動も分かる。医療に負担をかけないためにも重症化を抑えなければいけないということなら、まず40代、50代に、特に感染が拡大している地域である東京にアストラゼネカも含めてワクチンを集めて打つ。その間、若者に感染が広がるかもしれないが、重症化率はほかの年代に比べて低い。目標のためにはそういう手段をとる、ということになると思う。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)







