菅総理が3日に自民党総裁選への出馬見送りを表明して以降、株価の上昇が続いている。7日の東京株式市場の日経平均株価は一時、3万円の大台を回復した。
背景には、衆院選での自民党大敗という見方が後退したこと、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあること、製造業を中心に好調だった企業業績があまり反映されておらず、“割安”状態の日本株が見直されていることなどがあるという。
市場に大きな影響力を持つのが海外投資家だが、自民党総裁選の結果によってその先の見通しも変わってくるようだ。テレビ朝日経済部の橋岡可絵記者が伝える。
「東京市場の取引参加者のうち、約70%が海外投資家と言われているので、動向としては非常に大事。予想があっているかどうかは別として、影響力は大きい。海外投資家がどうみているのかという取材をしたことを元に話をさせていただきたい。
まず岸田さんに関しては、3日に菅総理が不出馬を示した時、対抗馬として唯一出馬を表明していた。なので、次は岸田さんなのではないかと海外勢は注目。すでに30兆円規模の経済対策の必要性を示していたことも海外に流れていた。そうなったら買いだということで、海外の投資家が買いに走ったのが、最初の株の上昇の要因のひとつと言われている。
河野さんに関しては、“ポスト菅”の筆頭ということで、海外投資家の間でも名が知られている。基本的には財政再建論者と認識されていて、目先はコロナ対策の大規模な経済対策を打ち出すことはあっても、先々は財政出動には消極的で、増税や財政規律を意識した政策運営を重視すると海外からはみられている。このため、株との関係だけで見ると、買いとはならないとの声があった。
高市さんに関しては、アベノミクスを継承するとご自身でも表明している。海外投資家がすごく重要視しているのは、アベノミクス路線がこの先も継続されるかどうか。なので、次の人がアベノミクスに近い政策をとるかどうかは、けっこうな尺度の判断材料になっている。今の大規模な金融緩和と機動的な財政出動という、アベノミクス3本の矢の2つがこれからも続くと意識されると、高市さんが有力だという話になるだけで、海外からの株買いを誘う可能性もあるとまで言われている。
総裁選に向けて短期的には個々の候補者の動向が株価を左右する可能性があると言われている。海外含め、国内の市場参加者もみなその動向を細かくチェックしているというのが今の状況だ」
(ABEMA NEWSより)