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2010年に初放送され、多くのファンの胸を打ったTVアニメ『Angel Beats!』が、AbemaTV・深夜アニメチャンネルで6月27日(月)より放送される。平成22年度の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で、審査委員会推薦作品にも選ばれている本作は、感動必至の大作を多数手掛けてきた人気シナリオライター・麻枝 准(まえだじゅん)の代表作の1つ。彼のファンを始め、放送を待ちわびていた人も多いだろう。

この記事では放送に合わせて、あらためて麻枝 准の略歴を紹介するとともに、代表作に見るシナリオの傾向を分析。さらに『Angel Beats!』のストーリーについても、過去作品と比較しながらわかりやすく紹介していこう。

■麻枝 准 ~美少女ゲームに「感動」要素を初めて取り入れたパイオニア~

シナリオライター、脚本家、作詞家、作曲家、音楽プロデューサーと多数の肩書を持つ麻枝 准。その名が知れ渡ったのは、1999年に美少女PCゲームブランドのKeyから発売されたノベルゲーム『Kanon』の大ブレイクがきっかけだった。シナリオライターの1人として制作チームに参加した麻枝は、美少女PCゲームのシナリオに初めて「感動」の要素を取り入れたことから、極めて大きな評価を受けている。

以後も『AIR』、『CLANNAD』、『リトルバスターズ!』など、出す作品すべてが大ヒットを記録しており、シナリオライターとして絶大な人気を確立。そして、アニメ制作会社・アニプレックスのプロデューサーにして、麻枝のファンである鳥羽洋典からの熱烈なオファーを受けたことから、彼は初めてTVアニメの脚本を手掛けることになった。その結果生み出された作品が『Angel Beats!』なのだ。

■麻枝作品のシナリオ傾向 ~キーワードは「死」と「家族」~

麻枝作品は、そのすべてがいわゆる「泣きゲー」と呼ばれ、感動を呼ぶストーリーが最大の魅力となっている。それらのシナリオの中核となっているキーワードは「死」と「家族」。『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』、『リトルバスターズ!』の4作品には、いずれも「恋人、家族、または家族も同然の仲間との死別」を描くシーンがクライマックスとして盛り込まれているのだ。

しかし麻枝氏自身は、「死」というテーマを使いすぎてマンネリになってしまったことに悩んでいた、とのこと。そこで彼は、『Angel Beats!』にてキャラクター全員が死亡している、死後の世界を舞台とするアイデアを練り上げた。すでに死んでいるから何をしても死ぬことがない世界――。そんな舞台設定こそが、『Angel Beats!』のシナリオに麻枝が仕掛けた、感動のためのギミックとなっているのだ。

■『Angel Beats!』のストーリーは?~神への復讐を通して描かれる人生賛歌~

それでは最後に、『Angel Beats!』のストーリーについて詳しく解説していこう。主人公となるのは、生前の記憶を失ったまま死後の世界の学園にやってきた少年・音無。彼は、そこで出会った少女・ゆりに誘われて、生前に理不尽な運命を押し付けてきた神に復讐する組織・死んだ世界戦線に加入する。その日を境に、音無は神の使いである少女・天使と、日夜戦いを繰り広げることになるのだが……。

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そんなプロローグから始まる本作は、まともな青春時代を送れないまま死んでしまった少年少女たちが織り成す青春ドラマである。ストーリーの柱となるのは「死後の学園生活」、天使を相手にした「非日常的なバトル」、そして登場人物たちが送った「理不尽な人生に由来する未練」の3つだ。

この世界の真実を知った時、音無はどんな決断を下すのか。彼や仲間たちは、生前の未練を晴らすことができるのか。そして、最後に音無を待つ結末は――。その辺りに注目しつつ、視聴するのがオススメだ。もちろん、視聴する際にはお手元にハンカチのご用意をお忘れなく。

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■放送スケジュール

『Angel Beats!』

6月27日(月)より深夜アニメチャンネルで放送

月~金 24時~/翌11時~

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(C)VisualArt's/Key/Angel Beats! Project

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