有名セレブや政治家が全裸で横たわる・・・刺激的な内容で物議を醸している、カニエ・ウェストの「Famous」のミュージックビデオが訴訟の対象になるか?多くの人が事態を見守っている。
カニエ・ウェストがロサンゼルスで開催した自身が経営する音楽配信サービス「TIDAL」のイベントで解禁したビデオには、カニエ本人とテイラー・スウィフト、キム・カーダシアン、リアーナ、クリス・ブラウン、アンバー・ローズ、ケイトリン・ジェンナー、ドナルド・トランプ、ビル・コスビー、レイ・ジェイ、ジョージ・ブッシュ、アナ・ウィンターといったセレブリティが全裸でベットに横たわっているという衝撃的な内容だ。
「Famous」というタイトル通り巷を騒がせている有名人を並べるという内容に、当初は「こんなメンバーを全裸にするカニエの権力はハンパない」と早とちりした人たちもネット上でいたようだが、実はカニエとキム・カーダシアン以外は蝋人形だということが判明。
「本物か偽物か?」という議論はあっという間に過ぎ去ったが、いずれにしても、こんな映像を出演している本人たちが許可するわけもなく、これから論点となるのは「誰が訴えるか?」という問題だ。
この件もカニエは一歩先を行っており「誰でもいいから訴えてみろよ!待ってるぜ」と挑発まがいのツイートを投下、その後すぐに削除している当たりの小ささも含め「カニエらしい」との声があがっている。
今回の「Famous」騒動、明らかにカニエが仕掛けた炎上マーケティングであることは確かで、SpotifyやApple Musicといった大手サービスの後塵を拝しているTidalの会員勧誘のための話題作りという側面が大きい。実際フルバージョンのミュージックビデオはTidalの会員しか見れない状態で、これまで自身のアルバム『The Life of Pablo』やビヨンセの『レモネード』のように独占先行配信などと同じようなアプローチ、今回は音楽メディアのみならずゴシップを扱う媒体全て巻き込み盛大に燃え盛っている。
特に「Famous」は4月に発売した際にラップしている「俺とテイラーがセックスするかもって気がするんだ。なぜって、オレがあのビッチを有名にしたんだから」と露骨で卑猥な歌詞が話題になったが(ちなみにカニエは事前にテイラーの了承を得ていると証言している)、今考えるとあのラップ自体がこのミュージックビデオの犯行予告ともとれる。
2009年のMTVビデオミュージックアウォードでテイラーのスピーチを妨害して以来、事あるごとにグラミー賞授賞式などでも妨害を働いてきたカニエだが、このところ鎮火しつつあった確執の再燃による話題作りを心底望んでいるのは確かだ。
なお現在のところ多くのセレブたちが、このカニエの暴挙に対してノーリアクションで静観の構えだが、唯一ブッシュ氏の側近が「本人は出演していない」と声明を出している。